588話
「クラスメイトはいかがでしょうか?」
うさちゃんが考え込んだ後に呟く。
「クラスメイトは友達じゃないよ?クラスメイトだもん。」
この線引き、大事だと思う。
「向こうはそう思っていないかもしれません。」
まぁ、たしかに…
みんな友達って人もいるもんね。
そっちタイプか…
「ねぇ、トスマナさんに聞いちゃダメなの?」
絶対、直接聞いた方が早いでしょ。
「ほら、黒幕ってコードネームとかで呼ばれることの方が多いでしょ?だから、知らないんじゃないかなって。」
一理ある…
「とりあえず、ルナは1回家に帰ろ。」
ツバサは私をお姫様抱っこし、問答無用で部屋を出ていく。
今は大人しくしてるか…
部屋の外に出ると、椅子に縛り付けられて俯いている人がいた。
「あの!」
私はトスマナさんに向かって叫ぶ。
「ルナ、目合わせちゃダメ。」
だけど、すぐにツバサに抱き寄せられて隠れてしまった。
「ルナ王妃、申し訳ございま…」
トスマナさんも叫んでいるようだったけど、途中で口を塞がれるような音がした。
うさちゃんかな?
「ほら、早く帰る!」
えぇ…
ツバサと2人で馬車に乗り、家に帰る。
そのままツバサの部屋まで連れて行かれ、ソファに優しく座らせてくれた。
「ルナ、ごめんね。ここでちょーっとだけ待っててもらってもいい?」
全然構わないけど…
「トスマナさんのところに戻るの?」
「ううん。魔物の処理をしてないから、状態確認してくる。」
それなら仕方がない。
「わかった。待ってるね。」
「ありがとう!すぐに戻ってくるから!」
ツバサはそれだけ言って、窓から飛び出していった。
オオカミの方が早いのはわかるけど、普通に出かけてほしい…




