57話
ミンフィーユ王国に到着し、すぐ私の家へ向かった。
観光はまた明日だって。
観光名所はほぼ王都付近にあるから、今日はゆっくりする日みたい。
私の家に到着すると、ラビリッツ家の家紋がついた馬車は帰って行った。
家の玄関には、ソルお兄様がお出迎えしてくれている。
残念ながら、お父様とお母様は帰ってくるのが遅いみたい。
この前、帰省しておいてよかった!
「ソルお兄様!ただいま!」
私はソルお兄様に駆け寄り、抱きつく。
3日ぶりくらいだが、大好きなソルお兄様に会えて嬉しい!
「ルナ、おかえり。抱きつくのはいいけど、みんなのことちゃんと案内してからにしなさい。」
怒られてしまった。
なんか前世の記憶が戻ったときを思い出すな…
まぁ、全然怖くはないが!
「はーい、ごめんなさい。みんな、紹介するね。私の大好きなソルお兄様!」
みんなが呆気に取られていることに気づかず、テキトーに紹介してもう一度抱きつく。
「もうルナったら…みんなごめんね。アルス様、ミア様、シルク様、お久しぶりです。ルイ様、スティさん、初めまして。」
ソルお兄様は、私をヨシヨシしながら軽く頭を下げて挨拶をする。
「お久しぶりです…その、ルナちゃんはソル先輩に懐かれているんですね…」
シルクがびっくりしながら、挨拶をする。
「あはは、お恥ずかしい。昔からのことなんだけど、ちょっと異常だよね…ルナ、いい加減離れなさい。」
ソルお兄様に厳しめに怒られてしまった。
怖くはないが、嫌われたくないから仕方がなく離れる。
ちょっと寂しいな。
私がシュンとしていると、ソルお兄様が頭を優しく撫でてくれた。
「この間一緒に寝たのに、まだ甘え足りないの?今日も一緒に寝る?」
「はい!」
えへへ、ソルお兄様の方から誘われちゃった。
「一緒に寝た…?」
ルイが動揺している。
「ルナ、お兄様のことが大好きなんだね。ちょっと羨ましいな。」
スティが素直に嫉妬してくれる。
「ソルお兄様のことは、スティにもあげないからね!絶対に取らないでね!」
そんな心配はいらないだろうが、私はスティに釘さしておく。
「うん、わかったよ。」
スティは笑いながら了承してくれた。
「さっ、みんな中に入りな。荷物は玄関に置いておいて大丈夫だから。」




