55話
その日の夕食は王妃様の宣言通り、人参を使用した料理がたくさん並んでいた。
気を使っていただき、私たちだけだったためマナーを細かく気にせず、みんなで楽しく話しながら食べた。
「ふぅー、お腹いっぱい!」
お風呂も済ませ、みんなで部屋に戻ってきた。
あとはもう寝るだけ!
「いっぱい食べましたね。」
「全部美味しかったですわ。」
スティとミアが夕食の料理について、話している。
「そういえば、ミア様ってよく『しきたりを変えますわ。』って言っていますけど、具体的に何しているんですか?」
私がずっと疑問に思っていたことを聞く。
「私も気になっていました。」
スティもミアに詰めよって聞いている。
「スティ、近いわ…」
ミアは照れている。
あぁ、好きな人に近づかれると恥ずかしいんだ。
逆に抱きつくくらいかなって思ってたよ。
「お話しますわ。その代わり、私が必要としたときは手伝ってちょうだい。」
内容によるが、まぁいいだろう。
「しきたりを変える上で1番大切なことは、上の方に納得していただくことよ。だから、説得力が必要なの。」
ほぉ。
結構、真面目に考えているっぽいな。
「そのために、全教科満点をキープしているわ。知らないことなんてありませんってアピールにもなるから。」
だから、そんなに頑張るのか。
しかも、満点を取り続けるって並大抵の努力じゃ無理だよね。
すごい…
「あとは、積極的に話しかけに行って仲良くなることかしら。いざというときに、助けてもらうためよ。」
そういうのも大事になるのか。
「学生の私にできるのは、それくらいかしら。」
意外と少ないもんだね。
大変そうだけど…
「卒業した後の方が、やることは多いわ。」
へぇ。
「まず、官僚になるの。それで、法律を変える権限をもらうわ。」
え、官僚ってそんな簡単になれるのかな?
まぁ、満点をキープできたらなれそうだけど。
「それで、みんなが自由に結婚できるように変えるわ。」
すごいな。
しっかり変えるための道筋を考えてあるんだ。
「ミア様、すごいです!」
スティは感動している。
「私、全力で応援しますね。」
あぁ、そんなこと言って大丈夫?
「スティ…私、あなたのために頑張るわね!」
ほらぁ…




