483話
猛スピードでツバサが走り、5分もかからずに到着した。
一応、走りながら勉強もしたよ…
「ルナ、初代国王の動物は?」
風が強いし速すぎて、うまく聞き取れない…
「なんて?」
「初代国王の動物!」
動物?
えっと…
「オオカミ?」
「全然違う!俺の家系に国王はいない!」
国王?
「いつの?」
「初代!」
あぁ、初代国王の動物か…
「トラ。」
「正解!」
よしよし。
聞こえれば、ちゃんとわかる問題だった…
そんな感じで一問一答形式で勉強した。
「なんか緊張する…」
家の前に到着するとツバサは獣人に戻り、私の腕にしがみついてきた。
「1回来たことあるでしょ?」
「でも、今回は結婚の挨拶だもん。どうしよう…『お前なんかに私たちのかわいくて大事なルナは渡さん!』って追い返されたら…」
そんなことあるわけないじゃん…
「ツバサはハイスペだから、大丈夫だよ。むしろ、『こんな娘でいいんですか?』って言われるよ。」
「それは絶対にない!だって、ルナだよ?俺がルナのお父さんなら誰にも渡したくないもん。」
厄介オヤジだ…
「ほら、早く行くよ。」
「はーい。」
私たちは家の扉をノックする。
すぐにアリーナが来て、開けてくれた。
「ルナ様、おかえりなさいませ。」
アリーナは深く頭を下げた後、ニコッと笑う。
「ただいま!」
「ツバサ様、この度はティートル王国のご建国並びに国王ご就任、おめでとうございます。」
「あ、ありがとうございます…」
ツバサは私の腕にしがみついたまま、戸惑っている。
「奥様も旦那様もソル様もお待ちしております。どうぞ。」
私たちはアリーナに案内され、リビングへ向かう。
その間もツバサは私の腕にしがみつき、プルプル震えていた。
なんか私まで緊張してきたよ…




