474話
「あれ?ルナ起きた?」
ツバサは私をお姫様抱っこして歩いていた。
「ここどこ?」
「家に帰ってるところだよ。」
あぁ、帰り道か…
「いっぱい寝ちゃった。」
「うん。気持ちよさそうだから起こせなかった。けど、俺のやらないといけないことは全部終わったよ。」
そうなんだ。
「何してたの?」
「主に土地の強度の確認かな。」
どうやるんだ?
「土砂崩れが起きそうなところとか、倒れそうな木に魔法を当ててみたんだ。」
ほぉ…
「で、危なさそうだったら、作り直したり、植え替えたりしたよ。」
私、寝てて良かったかも…
かなり危ない作業っぽいし。
起きてたら、絶対に邪魔になってた。
「他にやらないといけないことってあるの?」
「うーん、一応?」
まだあるんだ。
「それが終わったら、建国日を待つだけになる?」
「やってもやらなくてもいいやつなんだよね…まぁ、それ以外は特にないから、待つだけになるかな。」
どんなやつだろ?
「フラージア王国の人たちをどうするかって問題…」
あぁ…
罪悪感みたいなのを感じてるんだ。
「でも、建国まで日がないよ。今更住めることになっても、間に合わないんじゃないかな?」
「家はあるんだ…だから、引越しさえ終わればって感じで…」
そうなの?
「ざっと4等分して、それぞれミンフィーユ街、アニマル街、フラージア街、王都って分けてるんだ。」
へぇ、新しい王国ならではだね。
「だから、家はある…」
なるほど…
「もう1回、国王様と話し合う?」
「うぅ、やだ…やだけど、頑張る。」
ツバサは本当に嫌そうにしていたが、それを飲み込んで決意を固めたようだった。
「私もついていこうか?」
「え、来させるに決まってるじゃん。なんで俺が行かないといけないの?」
あぁ、そこは譲らないのね…
「応じなかったら?」
「そうしたら、もう仕方がないよ。でも、絶対に来ると思う。俺の力がないと大変なことになるのはわかってるはずだし。」
超強気だな…
「じゃあ、帰ったらお手紙書こうね。」
「うーん、それも必要ないかな。」
どうして?
「ほら。」
話しているうちに王城についたようで、門にフラージア王国の紋章がついた馬車が止まっていた。
なるほど…
既に来ているってことか…




