38話
ねえ、これいつまでやるの?
もうお腹空いたよぉ…
「ねぇ、今何時かわかりますか?」
隣に座っているアルスに話しかける。
「13時過ぎたころだな。」
え、そんなに経ったの?
てか、お昼休みも終わっている時間じゃん!
「これ、いつまでやるんですかね?」
「さぁな。昨日もこんな感じだったから、遅くなるまでかな。」
うそでしょ…
「アルス先輩は、お腹空かないんですか?」
「僕に興味があるの!?嬉しいな…お腹は空いているよ。でも、こういうことが多かったから、平気だよ。」
急に嬉しそうに話す。
「こういうことって、何回もあるもんなんですか?」
「そうだね。月に1回はこうやって集まって、議会を開いているよ。これは臨時だから、今月もまたあるのかな。」
えぇ、王子って大変なんだね。
「おい、2人だけで話すな。俺らも混ぜろ。」
ルイ、シルク、スティ、ミアが集まってきた。
みんな暇していたみたい。
「あ、ミア先輩。さっきはよくも裏切ってくれましたね!」
私はミアに婚約者変更で反対されたことを問い詰める。
「だって、仕方がないじゃない。スティと結婚したいんだから。」
「えぇ。ミア様、まだそんなこと言っているんですか?」
スティはびっくりしている。
「まだって、ずっとよ。子供の頃にプロポーズして、おっけーしてくれたじゃない。」
「あれ、本気だったんですか…」
「当たり前じゃない!」
「えぇ、ごめんなさい。だけど、同性婚は認められていませんよ。」
「知っているわ。だから、しきたりを変えているところよ!もう少しだから、待っていてちょうだい。」
2人のやり取りがおもしろく、みんなで笑い合う。
楽しいな。
「それより、魔王の誕生って怖いね。ルナは知ってた?」
スティはビクビクしている。
そっか、知らないと怖いよね。
「ううん、知らなかったよ。びっくりしたね。」
「ルナちゃん、全然驚いていなかったけど…」
シルクが余計なことを言う。
てか、見てたんか。
「そんなことないですよ。びっくりして固まっちゃいました。」
「そうだったんだ。」
ふぅ、誤魔化せた。
「シルク先輩たちは知っていたんですか?」
そっと話をそらす。
「おう。ずっと議題になっていたからな。」
「いつくらいからですか?」
「3年くらい前かな。」
そんな前からなんだ…
「だから、ずっと光属性を探していたんだよ。ルナちゃんに会えて嬉しいよ。」
アルスはニコニコしている。
そうだよね。
光属性の人が封印したって伝説があるから、今回も…って感じなのか。
「頑張りますね!」
私は改めて気合いを入れる。
「俺たちも協力するよ。」
「私も4属性あるから、力になれると思う。ルナと一緒に戦うよ。」
「私も!スティを守りますわ。」
仲間ができたみたいで嬉しいな。
みんなで和んでいると、魔法局の人が入ってきた。
「今は議会中です。お静かに。」
そっちが騒ぎ出したんじゃん。
「それと、討伐メンバーが決まりました。この6人です。」
「僕たちが討伐メンバーに…」
シルクが嬉しそうにしている。
みんなで顔を見合わせる。
「頑張ろうね。みんなで魔王倒すぞー!」
「「「「「おぉー!」」」」」




