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363話

「ルナ!ルイの代わりに俺がデコピンしようか?」

ツバサは嬉しそうに近づいてきた。

え、普通に嫌なんですけど…

「ほら、ツバサ。おでこ出して。7回するよ。」

「え、多くない?なんでそんなに多いの?普通に無理なんだけど…」

ツバサは若干早口になりつつ、嫌そうにしている。

まぁ、私がなしになったからツバサもなしでいいか…

「じゃあ、5回におまけしてあげる。」

「うぅ、それも嫌だけど…優しくしてね?」

ツバサはきゅるんとした顔を向けてきた。

なんかムカつくから、痛くしてやろ。

あぁ、でもこの顔をしなくなるのも嫌だな…

地味にかわいくてお気に入りなんだもん。

なんか撫でたくなる…

やっぱり、わんこだね。

「ほら、おでこ出して。」

「はーい。」

ツバサはおでこを出して、上目遣いで見つめてきた。

「目瞑ってくれない?やりづらい。」

「ルナの顔見てたいな。」

もういいや。

痛くしてやろ。

私は思いっきりデコピンをする。

「いったぁ…」

ツバサはおでこを押さえ、涙目になっている。

「ルナ、ひどいよ…ルイには優しくしてたのに…」

あぁ、自分にも優しくしてもらえるって自信があったのね。

だから、あんなに余裕そうだったのか…

「ツバサが悪い。ほら、あと4回やるよ。」

「うぅ…痛い…」

ツバサは文句を言いつつ、大人しくおでこを差し出してきた。

私は優しく4回連続でデコピンをする。

「全部これが良かったよ…」

はいはい。

「ルナ、撫でて?」

ツバサは甘えた声で抱きついてきた。

はぁ、仕方がない。

私はツバサの頭を撫でる。

「えへへ。これから、デコピンした後は撫でるの義務ね。」

勝手に追加したな…

まぁ、別に嫌いじゃないからいいけど。

ルイの方をチラッと見ると、まだ少し顔が赤かった。

本当にどうしたんだろう?

「ルイ。」

私は少し離れているルイに呼びかける。

「ん?なんだ?」

「なんで私のデコピンなくなったの?」

「可哀想になったから…」

ルイはまた赤くなった。

可哀想?

「あのね、ルイはルナの顔を見てね…」

「おい、ぜってぇに言うな!言ったら絶交だからな!」

「え、やだ。ルナには内緒ね。」

ツバサには伝わっているみたいなんだよね…

また私だけ除け者だ…

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