347話
お昼休み。
私はハニルカさんの席に近づく。
「ハニルカさん、お昼一緒に食べない?」
「え、いいの?」
ハニルカさんは驚いている。
「『お昼休みも話そ。』って言ったでしょ?」
「そうだけど…ティートル公爵様はいいの?」
ルイがまだ戻ってきていないってことは、ツバサもまだいないだろう。
「大丈夫。今日1日、ちょっと忙しくしているみたいなんだ。」
「そうなんだ…うん!一緒に食べよ。」
私はハニルカさんと一緒に食堂へ向かった。
「ハニルカさんは、婚約者っているの?」
私は休み時間に聞きたかったことを尋ねる。
「いないよ。」
あ、いないんだ…
「好きな人は?」
「…いるよ。」
ハニルカさんは照れながら教えてくれた。
「へぇ、そうなんだ!誰?」
「幼なじみの男の子。」
うわ、好きな展開きた!
「その子に婚約者はいるの?」
「わかんない…」
なんで?
「7歳のときにアニマル王国へ行っちゃって、もう会っていないの。」
そうなんだ…
「なんでアニマル王国へ行っちゃったの?」
「お母さんがフラージア王国の侯爵家の人で、婿入りしてフラージア王国に来たの。でも、お母さんが死んじゃって、お父さんのアニマル王国に帰ったって感じかな?」
ってことは、フラージア王国とアニマル王国のハーフってことか。
「そのまま継がなかったの?」
「お母さんに妹がいるんだけど、ちょうど結婚するときだっから、追い出されたみたい…」
なんか事件の匂いがする…
「ちなみに、なんの動物?」
「キリン。」
へぇ…
「首長いの?」
「ふふ。私たちと変わらないよ。」
なんだ…
「キリンの耳と角とシッポが生えているの。」
え、かわいいかも…
「写真とかないの?」
「寮にあるよ。」
「今度見せて。」
「いいよ。」
ツバサに聞いたらわかるかもしれない。




