30話
は?
私は頭を思いっきり殴られた気分になる。
この女がルキの婚約者だって?
だって、別のゲームの人じゃない。
それに、ルキに婚約者なんていなかった。
まぁ、いても私と結婚するけどね。
「あの、ルキ王子に婚約者はいなかったはずですが、なんで婚約しているんですか?」
一応聞いてみる。
何かの間違いかもしれないし。
ミアの妄想説が濃厚かな。
「3年前に婚約させられたのよ。フラージア王国とミンフィーユ王国の絆を強固にするためよ。最初はルイ王子になる予定だったんだけど、そこまでの重荷は背負わせられないって第2王子になったの。」
なるほど…
「では、ルイには婚約者がいないと。」
「えぇいないわ。『自分で探したい』って意味のわからないことを言っていたわ。王族なんだから無理に決まってるのに…」
そっか。
王族は国のために結婚することがほとんどだもんね。
「でも、私はスティと絶対に結婚する。私だって好きな人と結婚したいわ。」
その心意気は素敵だ。
でも、ルキに惚れないなんて意味わからん。
まぁ、敵が少ない分いいけど。
「わかりました。私がルキ王子と結婚します。てか、ルキ王子と結婚したいです。」
私は真剣にミアに伝える。
「じゃあ、それで進めさせてもらうわね。」
やった!
「あと、差し出がましいお願いなのですが、ルキ王子と会わせていただくことって可能でしょうか?」
ルイに招待してもらうより手っ取り早いかも。
「いいわよ。ただ、まだ13歳じゃない?だから、学園に来てもらうわけに行かないから、ご自分でお城に行ってくださる?私の名前出していいから。」
やったぁぁぁぁぁぁぁ!
「はい!それで大丈夫です。本当にありがとうございます!」
私はミアの手を取って感謝する。
「ふん、スティの友達なんだし、これくらいなんてことないわ。絶対にルキ王子を落とすのよ。それで、向こうから『結婚したい』って言わせるの。」
「もちろんです!では、失礼します。」
「またね。」
よし、ルキに会う算段はついた。
あとは、いつにするかだね。
なるべくはやい方がいいな。
とりあえず、寮に戻るか。
えっと、多分こっちの道かな。




