27話
とりあえず、私とルイで作戦をたてることにした。
本当はスティも一緒が良かったんだけど、なぜか1限目の途中で先生に呼ばれてからずっといない。
何かあったのかな?
「ルナは、犯人に思い当たる人いる?」
うーん、いないかな…
入学してから話したのって、ルイ、アルス、シルク、スティ、詰めよってきた女子生徒、クララくんくらいだし。
「わからない。決まった人とばかり話していたから…」
「そうだよな。じゃあ、学年から考えよう。」
ルイは記事をよく見ながら考える。
「んー、俺的には同じ1年だと思う。ルナのこと伯爵令嬢って知っているし、制服を着ている=伯爵家とは限らない。同じ学年なら名簿があるから、家名を調べればすぐにわかる。」
確かに。
「ルイ、すごいね。すごい納得した。」
「だろ。」
褒められて嬉しそうにしている。
「あとは、女子生徒か男子生徒かだけど、ルナ的にはどう思う?」
うーん。
私は、引っかかっていたところを指す。
「ここの『小悪魔』って言葉が気になるかな。男子がよく言いそうっていうか…女子なら『悪女』って言うと思う。なんとなくだけど…」
「おぉ!ルナもすごいな。俺、全く気にならなかったよ。」
えへへ、褒められちゃった。
「じゃあ、男子生徒ってことでいいかな?」
「おう。」
結構順調じゃない!?
「とりあえず、1年男子で探すか…って、30人くらいか?すぐに見つかりそうじゃね?」
「うん!ルイ、ありがとうね。もうちょっと頑張るぞー!」
「おぉー!」
私たちは気合いを入れ直した。
お昼休み。
スティはまだいない。
どこ行っちゃったんだろ?
ちょっと心配になってくる…
「ルナ、食堂行くか?」
食堂は講堂の地下にある。
つまり、1年2年共同で使う場所ってこと。
今日行くのは良くない気がする…
「私はやめておく。テイクアウトにしようかな。」
「じゃあ、俺もそうする。食べたいもの決まってる?よかったら買ってくるよ。」
お言葉に甘えてお願いする。
さて、その間に整理するか。
私ももう1度記事を読み返す。
あれ?
そういえば、迷子の私をシルクが助け出したことを普通に知っているかな?
仮に普通に知っているとしたら、結構厄介だけど知らないとしたら…
あの人しかいなくね?
え、犯人わかっちゃった?
そのとき、ちょうどルイが戻ってきた。
「お待たせ。どうした、変な顔して。」
ルイは買ってきたお弁当を広げてくれている。
「ルイ、私犯人わかっちゃったかも…」
「おいマジかよ!なんでわかったんだ?」
私は『迷子の新入生をシルク王子が助け出し』を指さしながら、ルイに質問をする。
「これ、ルイは知ってた?」
「そういえば、これ読んで初めて知ったな。ルナが迷子になったのは1年で有名な話だろうけど、誰が助けたとかは気にしたことなかった。普通に先生かなって…」
「そう、そうなの!私もシルク先輩に助けられたってあんまり言ったことがないの。だから、なんで知っているんだろうって思ったときに、教えた人が犯人なんだって気づいたの。」
ルイは驚きつつ、顔を近づけてきた。
「それで、誰なんだ。」
「クララ・ガトラーくん。」
 




