25話
授業も全然集中できず、ぼーっとしてしまう。
まぁ、いつものことなんだけど…
休み時間になると、また女子生徒に囲まれた。
「朝も言ったけど、誤解だったみたいだから、やめてあげて。」
だけど、ルイが助けてくれたんだ。
あの圧強めの笑顔で…
とりあえず、シルクに1回会いたいかも。
でも、1人で2年棟に乗り込む勇気はない…
ルイもついてきてくれないかな?
そう思って、チラチラ見ていると、ルイがちょっと怒った。
「あぁ、もうなんだよ!」
わぁ、ごめんって。
「えっとね、シルク先輩に会いに行きたくて…ついてきてくれない?」
遠慮がちにお願いしてみる。
ルイは大きなため息をつく。
「なんで、俺が2人を会わせるためについて行かないといけないの?」
おっしゃる通りです…
「これでも俺、結構…かなりイラついてるの。俺のこと、大好きなら解決するまで話しかけないで。」
大好きを強調しながら、怒られた。
確かに昨日、大好きって言ったけどそうじゃないんだって…
「うん、ごめんね…私、ルイに頼ってばかりいて…1人で頑張ってみるね!」
無理やり元気を出して、ルイに伝える。
ルイはまたそっぽを向いてしまった。
よし、1人で頑張るぞー!
「一緒に行く…」
ん?
「ルイ、何か言った?」
「心配だから、一緒に行ってやるよ!守ってやる!」
え、さっきまで1人で行けみたいなこと言ってなかった?
まぁ、来てくれるなら心強いけど。
「ありがとう!」
「あぁ、もうなんで俺が…」
ルイは照れ怒りながら、教室を出ていく。
今から行くの!?
まぁ、時間はまだ大丈夫そうだし…
「ルイ、待ってよ。」
私は慌てて追いかけた。
2人で廊下を歩いてても、女子生徒から声をかけられる。
でも、ルイが無言の圧力で蹴散らしてくれた。
もうちょっと優しくしても…
って思ったけど、怒ってるって言ってたもんな。
守ってくれるのはありがたいけど、ちょっと怖いよ…
せめて、何か話しながら楽しく行こうよ…
「ルイ、ついてきてくれて本当にありがとね。」
恐る恐る声をかけてみる。
ルイは無言のまま少し前を歩いている。
うぅ、今日のルイ怖いよ…
2年棟の教室に到着する。
「シルク王子いますか?」
ルイが顔を覗かせて、近くの生徒に尋ねる。
「シルク様なら、朝からいないよ。」
え?
いないの?
なんでだろ…
「そうですか…ありがとうございます。」
ルイの外面、完璧だよね。
怒ってるなんて、微塵も思わない。
だからかな。
少し寂しそうにも見える。
「シルク王子、いないってさ。戻るぞ。」
はーい。
私たちは来た道を戻る。
その間も来る前同様、女子生徒に話しかけられそうになるけど、ルイの無言の圧力に負けて去っていく。
多分、先輩もいただろうに強いな…




