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263話

「ルナ、大丈夫?」

ツバサは心配そうに私の両手を掴む。

「大丈夫だよ。ありがとう。」

「もう、びっくりしちゃった…」

ツバサは私を優しく抱きしめてくれた。

「私も。初めてナンパされちゃったよ。」

「いつもは俺がいたからね。」

そういえば、前世でも今でもずーっと近くにツバサがいたかも。

「もう俺から離れちゃダメだよ?」

はーい。

「てか、俺のルナに触るとかまじで最悪すぎる…」

ツバサは不機嫌そうにしている。

「触られたのは、右手だけ?」

連れてかれそうになったときに掴まれただけだから、多分そうかな?

「早く消毒しないと。」

ツバサはカバンから消毒液を取り出し、私の右手に大量に噴射する。

多いって…

「ツバサ、手がびちょびちょになってるんだけど…」

「まだ足りないくらいだよ。」

嘘だろ…

「いや、もう大丈夫だから。」

「ルナの大丈夫は、大丈夫じゃない。」

そんなことはないだろ。

「本当に大丈夫だから。もう綺麗になったよ。」

「…わかった。」

ツバサは渋々、噴射するのを止め、ハンカチで拭いてくれた。

「まだ臭う気がする…」

何の?

まさか、さっきの男の人の匂い?

私は自分の右手の匂いを嗅いでみる。

消毒液臭い…

「消毒液の匂いしかしないよ?」

私はツバサの顔に右手を近づける。

「まだ臭う…」

まじか…

オオカミって鼻がいいの?

「ツバサの気の所為だって。」

「俺の匂い、付けておくね。」

ツバサは私の右手を両手でギュッと握る。

マーキング的な?

「ツバサにも私の匂いついちゃうね。」

「じゃあ、いっぱい付けて。」

ツバサはギュッと抱きしめてきた。

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