24話
数日後。
今日もスティと2人で登校する。
あの日以来、アルスが寮の前で待っていることはなくなった。
シルクに何か言われたのかな?
講堂前の掲示板にたくさんの生徒が群がっていた。
大きなお知らせが貼られることは少ないため、とても珍しい光景だ。
「何かあったのかな?ルナ、私たちも行ってみよ!」
スティと2人で掲示板に近づく。
その間、何故か注目されていた気がしたが、あまり気にしなかった。
しかし、掲示板のお知らせを見て、視線について納得した。
なんと、そこには「アニマル王国のシルク王子 熱愛」の文字が。
そして、モザイク処理されていたが、私だとハッキリわかる写真が。
生徒会でシルクにもたれかかられたときの写真だった。
マジか…
これ、シルクは知っているのかな?
てか、誰がこんなことを?
どのゲームでも、こんな悪質なことはなかったけど…
いや、あったな。
あれは確か、『甘いスイーツと共に』のルイルート。
『祈りの塔』でプロポーズされる少し前だったかな。
街へお忍びデートしに行ったところを撮られて、ちょっとした騒ぎになってたっけ。
サラッと終わってたから、すっかり忘れてたよ。
ってことは、『ミンフィーユ王国』の人が怪しいのか?
それだけで決めつけるのはいけないけど、ちょっと探してみるか。
ゲームの犯人は誰だっけ?
うーん、さすがにそこまでは覚えてないや!
「ルナ…」
隣でスティが心配そうに見つめている。
「大丈夫。とりあえず、教室行こ。」
教室に向かう途中、何度も女子生徒から話しかけられた。
「あなた、シルク様の何なのよ!」
「王子様にどうやって取り入ったの?私にも教えてほしいな。」
「何か薬でも盛ったのね。大人しく白状しなさい!」
獣人の子が多かったけど、全部とりあえず無視!
話しかけられそうになったら、走って逃げる。
で、いつもの倍以上の時間がかかって教室に到着したんだ。
そこでも、非難の嵐。
特に、この前話しかけてきた猫が大変だった。
「あなた、やっぱりシルク様と…どうして、こんな人間が…」
そう言って泣き出してしまったから、周りの援護射撃がすごい。
「ちょっと、あなた。ピラナさんを泣かせていいと思っているのかしら?」
「そうよ。ピラナさんはね、あのナハリマ公爵家のご令嬢なのよ。」
「あなたみたいな制服組が、話しかけていいような存在じゃないんだからね!」
私、何もしていないのに…
逆に何もしていないからこそ、こうなったのか?
「ねぇ、複数人で1人を責めるのは良くないよ。それに、あれはきっと誤解だって。ね、ルナ?」
どうしようかと困惑していると、ルイが間に入って助けてくれた。
疑問符に色々含まれている気がするが、気づかないふりをしておこう。
「う、うん。」
精一杯の笑顔で答える。
絶対に引きつってたけど…
「ということで、ルナのこと解放してくれるかな?」
ルイの圧に怯えた猫たちは渋々、離れていった。
優しい顔して圧かけてくるから、怖いよね…
「ルイ、ありがとう。」
私は、申し訳なく思いながらお礼を言う。
「守るのは当たり前だから。」
そっけなく言って、席に行ってしまう。
私も後を追って席に行く。
「ルイ…」
座ったあともそっぽを向いている。
絶対に気になっているだろうに、聞かないでいてくれている。
嬉しいけど、少し寂しい…




