257話
「ルナ、どこ行くの?」
ツバサは楽しそうにしている。
やば…
この後どこに行くとか何するとか、何も考えてなかった。
「ツバサはどこに行きたい?」
「ルナと一緒だったら、どこでもいい!」
ツバサは嬉しそうに笑った。
1番困る解答だけど、まぁそうだよな。
「私もだよ。だから、どこに行くか悩んじゃって。」
嘘は言ってない。
「ほんと?」
ツバサの目が嬉しそうにキラキラしている。
「ほんとだよ。」
「えへへ、嬉しい。」
ツバサはふにゃあと笑った。
「じゃあ、とりあえずお腹すいたから、ご飯食べたい!」
「わかった。最初に見つけたお店に入るってのはどう?」
「いいね!」
ということで、最初に見つけたカフェに入る。
「ルナ、決めた?」
私がメニューとにらめっこしていると、ツバサが尋ねてきた。
「3つまでには絞れた…」
ここのカフェ、メニューが充実しすぎてて、悩む…
「どれ?」
ツバサが私の見ているメニューを覗き込んでくる。
「このカップケーキとサンドイッチ、あとパフェ。」
私はメニューをめくりながら、指さしていく。
「あ、俺このサンドイッチとデザート何にしようか悩んでたんだ!だから、このサンドイッチ2つとカップケーキとパフェ頼も。で、半分こしよ。」
ツバサは嬉しそうに笑った。
ほんとに良い子だね…
「ありがとう。でも、そんなに食べられるかな?」
「残しそうだったら、俺が食べるから大丈夫!」
心強いな…
「じゃあ、そうしよっか。」
「うん!」
ツバサが店員さんを呼び、注文してくれた。
程なくすると、サンドイッチが2つ運ばれてきた。
「美味しそうだね。」
「ね!いただきます。」
ツバサがほっぺいっぱいにサンドイッチを頬張る。
「美味しい。」
ツバサは嬉しそうに食べている。
ハムスターみたい…
「あ、ツバサ。こっちのマスタード多めだけど、大丈夫?」
「わ、ダメかも…」
意外にも辛いの苦手なんだよね。
「じゃあ、これと交換しよっか。」
「えぇ、いいの?ありがとう!」
ツバサはやっぱりかわいいよ…
なんで、無理してかっこよくなろうとしてたんだろ?
「ねぇ、ツバサは『かっこいい』って言われた方が嬉しいんだよね?」
「うん。」
「なんで?」
「うーん、ルナがかわいいから、俺はかっこよくいたい!」
よくわからんな…
「ツバサの方がかわいいと思うけど…」
「それはない!」
ツバサは全力で否定している。
そうかな…
「てか、ルイとデートする日、『かわいくていいもん。』って言ってなかったっけ?」
「あ、あれは…ルナが取られちゃうくらいなら、俺がかわいくなればいいやって思ったからで…終わった今では、かっこよくなりたいなって…」
ツバサは恥ずかしそうにしている。
「ツバサにかっこいいは無理だよ。」
「え…」
ツバサは悲しそうにしている。
「かっこいいツバサ、あんまり好きじゃないかも?」
「じゅあ、かわいくていいや。」
ツバサはふにゃあと笑った。
切り替え早いな…




