238話
学習室Dにつくと、朝と同様にツバサと先生が待機していた。
「2人とも遅い!何やってたの?」
ツバサは少し怒っていた。
「プリントを回収してたんだよ。遅くなって、悪かったな。」
ルイがツバサに謝る。
「お待たせ。」
私はツバサの頭を撫でる。
「もう、仕方がないな。」
ツバサはニコニコしている。
扱いやすくて助かるよ。
「もう発動しないよう、魔法はかけてあります。」
朝の先生とは違い、知らない先生が教えてくれた。
「じゃあ、始めるか。」
ルイがまだ掃除していない魔道具の前にしゃがんで、雑巾で拭いていく。
私とツバサも横に並んで、拭いていく。
「ねぇ、点検もしないといけないんでしょ?」
「そうだな。」
「外でやらないと危ないんだよね?」
「そうだな。」
「放課後やる?」
「そうするか。」
ルイが私の質問に対して、簡素に答えていった。
もうちょっとワイワイ楽しみながらやろうよ…
「ルイ。」
「なんだ。」
「好きだよ。」
「ちょ…え?」
ルイは顔を真っ赤にして、固まっている。
しめしめ。
「ルナ…」
横にいるツバサが悲しそうな顔をして、私の服の裾を引っ張っている。
「どうした?」
私はツバサの頭を撫でる。
「え、ルナ…どういう意味で言ったんだ?」
ルイはまだ顔が真っ赤になっている。
「ルイが素っ気ないから?」
「あぁ…ごめん。」
ルイは少し寂しそうな顔をした。
なんか、ごめん…
「ルナ、俺にも言って。」
ツバサも寂しそうな顔をしている。
「大好きだよ。」
「えへへ、俺も大好き。」
ツバサは満足そうに笑った。
「なぁ、ルナ。」
ルイが真面目な顔をして、話しかけてきた。
「なに?」
「俺もルナが好きだよ。」
ルイはニコッと笑った。
う、かっこいいな…
「まぁ、友達としてだけどな。」
すぐに前を向いて、掃除を始めた。
これは、たしかに心臓に悪いな…
「俺の方が、ルナのこと大好きだからね。」
ツバサがワタワタしている。
「わかってるよ。俺だって、もう吹っ切れてるから安心しろ。」
そうなんだ。
良かった。




