22話
お昼休み。
今度はスティと話し合おうとして近寄る。
「スティ、ちょっといいかな?」
逃げはしないけど、警戒している。
「うん…」
私はスティの隣に座り、向かい合う。
「ごめんね。私何も考えずに、伝えればなんて言っちゃって…」
「ううん、私こそ…ルナにひどいこと言っちゃって、ごめんね。」
スティも慌てて謝る。
「あのね、スティと話せない間、すごい悲しくて、寂しくて、いっぱい泣いちゃった。」
「見てたよ!私もルナのことばっかり気になっちゃって…」
お互いに目が合うことは何度もあった。
それは気になりつつも、なんて声をかければ良いのかわからないだけだった。
「じゃあ、もうおしまい!ってことでいいかな?」
「うん!ルナ~!」
そう言って、スティは抱きついてきた。
もうかわいいな。
本当は甘えん坊だよね。
2人で仲良く食堂へ向かう。
で、仲良く横並びでご飯を食べる。
ケンカしていた間にあったことをたくさん話した。
お互い話が止まらず、食べるのも忘れて話していた。
そのため、食べ終わったのがチャイムギリギリの時間。
2人で急いで食べ、全力で走った。
そんな日常が今は、ハチャメチャに楽しい!
やっぱり、スティが大好き!!
放課後。
もう少しスティと話していたかったけど、昨日サボっちゃったから、今日は大人しくサイモンさんのところに向かった。
スティもついてきてくれたんだ!
グランドにつくと、既にサイモンさんが待機していた。
私たちは駆け寄った。
「サイモンさん、昨日はごめんなさい。今日からまたお願いします!」
私は丁寧に頭を下げて謝る。
「はぁ、君がどうしてもラナに会いたいって言うから、昨日来ていたんだけど。君がサボるから…ラナは怒ってもう来ないと言っていたよ。残念だね。」
嘘…
昨日、ラナさんがここに居たの…
私が泣きそうな顔をしていると、サイモンさんは慌てて付け加えた。
「うそうそ、怒ってはいなかったよ。彼の土魔法で君の居場所も特定していたんだけど、ルイ王子と一緒みたいだったから、邪魔しない方がいいねってことで、すぐに帰っただけだよ。」
クソ…
ルイのせいで、ラナさんに会えなかったじゃん!
って責めたいところだけど、私も悪い。
これからは、サボるなってことか…
「そうですか…これからは、サボらずに毎日来ます。なので、もう一度ラナさんに会うチャンスをください!」
私は再度丁寧に頭を下げてお願いする。
「ラナも暇じゃないんだ。気が向いたら、きっとまた来るよ。さ、今日の分を始めるよ。」
慰めてくれてる?
けど、ラナさんが忙しいのはゲームで何度もプレイしているから知っている。
サイモンさんは、職員棟に寝泊まりしているらしい。
でも、ラナさんは片道1時間くらいかかる道を私のために来てくれていた。
とてつもなく申し訳ない…
やっぱり、昨日は貴重な機会だったのか…
私はしょぼくれながら、今日の激務をこなした。
 




