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21話

私も女もポカンとしている。

というか、教室にいた人みんながポカンとしている。

え、今なんて言った?

「ルナと俺は友達じゃなくて、恋人。ルナ、そうだよね?」

「え、違うけど…」

反射的に答えてしまった。

ルイはびっくりしている。

「え!?だって、週末のデートおっけーしてくれたじゃん!」

え、あれだけで恋人になったの?

「ルイ、あれだけで恋人にはならないよ。それに、ルイが勝手にデートって言っているだけでしょ?」

私は呆れながら教えてあげた。

「でもでも!昨日、抱きしめても嫌がらなかったし、手だって繋いだし、デートも否定しなかったじゃん!」

えぇ、こんなにポンコツなの?

「それは、慰めてくれてただけでしょ?それに私、ルイに告白されてないし、好きとも言われたことないよ?」

私はしっかり否定する。

ここで、ルイルートに入るわけにはいかない。

まだお城のパーティーに招待してもらっていないし、ルキにも会っていない。

ルイルートに入るわけには、絶対にいかない。

だって、もしルイと結婚したら、ルキは誰と結婚するの?

私しかいないでしょ!

「で、でも!言葉がなくても、想いあっていれば通じるものでしょ。」

「私はルイのこと、友達としてしか見てないよ。」

「なんで…」

「だって、まだ出会って3日くらいしか経っていないし、お互いのこともそんなに知らないでしょ?」

「じゃあ、もう少し日にちが経てばいいの?」

「そういう問題じゃない。」

「じゃあ、どうすればいいの?」

ルイと2人で言い合っていると、チャイムが鳴った。

声をかけてきた女子生徒も教室にいる生徒もみんな置いてけぼりになっていた。

「みなさん、授業が始まりますよ。早く席につきなさい。」

先生にそう促され、仕方がなくみんな席につく。

私もルイも納得していないが、席について授業を受ける。

どうにかして、否定し続けないと…


休み時間。

ルイは私に話しかけてきた。

「ルナ、朝のことなんだけど…」

頭が冷えたのか、ちょっと恥ずかしそうにしている。

「どうしたの?」

私はなるべく優しい声で答える。

「えっと、言い過ぎたかなって思って…悪かった。」

ルイは素直に謝る。

「私こそ、ごめんね。ルイの気持ちを真っ向から否定して…ちゃんと話しあおっか。」

しっかり否定はしないといけない。

だけど、責めるのは違う。

だから、ルイと話し合って付き合わないようにしつつ、ルキに会う方法を考える。

「うん。俺がルナのこと、好きなのは本当だよ。」

少し照れながら話し始める。

あ、教室のままでいいんだ。

結構、注目されてますけど…

「昨日、泣いているルナを見て、俺が守りたいって思ったんだ。」

あー、ものすごくやばい展開。

「ルナは俺のこと、友達だと思っているって言ってるけど、俺はもうそうは思えなくなって。」

どうやって、断ち切ろう…

てか、これ話し合いじゃなくて、一方的なんでは!?

「何が言いたいかって、言うと…」

「ルイ!私の話も聞いてくれる?」

私はルイの声を遮って止める。

このままじゃ、告白されてしまう。

まだその段階にくるのは早すぎる。

これで承諾してもお断りしても、良くない。

承諾したらルイルートに入ってしまうし、お断りしたらお互いに気まづくて友達には戻れなくなる。

どうにかして、曖昧にしないと…

「ルナ?」

「私はルイのことが大好きだよ。でも、まだどんな人かは分かりきっていない。」

私は承諾にもお断りにもならないよう、言葉を探しながら話す。

「だからさ、そんな急がなくてもいいんじゃないかな?もっと時間をかけて、仲を深めていきたいなって…」

嘘は言っていない。

本当に思っていることしか話していないけど、このままじゃ、両片想いって思われそう…

だけど、今はそれでいい。

とりあえず、ルイルートに入らなければセーフだろう!

「ルナ…うん、そうだね。ごめん。俺急ぎすぎてたかも…」

ルイはわかってくれたみたい。

絶対に勘違いしているだろうけど…

「ルナ、これからもよろしくね。」

あぁ、その笑顔に私は弱いんだ…

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