212話
お昼休み。
食堂に移動しようか、相談しているとルイがやってきた。
「あ、ルナいた。」
そのまま教室に入ってくる。
「ねぇ、ルイ様よ。」
「なんか可愛らしいわね。」
「いつ見てもかっこいいですわ…」
女子生徒たちは楽しそうにしていた。
2年生だとあんまり会うことはないのか?
「10日当番の仕事で、『お昼休み中に学習室Cを片付けるように。』だって。俺はご飯食べてからやるつもりだけど、ルナもそれでいい?」
シンプルな雑用だ…
しかも、片付けか…
「俺も手伝うね。」
ツバサがニコッと笑った。
持つべきものは婚約者ですな!
「じゃあ、みんなで先に食べようか。」
「俺もいいのか…」
「もちろん。」
「ありがとう。」
ルイは嬉しそうに笑った。
「ルナと2人が良かった…」
ツバサがルイに聞こえるようにボソッと呟く。
「今日くらい良いじゃんか!ほら、早く行こうぜ。」
ルイは気にせず、張り切っているみたいだった。
そんなに嬉しいのか…
食堂につき、みんなでお昼ご飯を食べる。
「みんなで食べるご飯は美味しいな。」
ルイはずっと嬉しそうにしている。
「ルイって、いつも誰と食べてるの?」
「1人だけど?」
え、なんかごめん…
「別に慣れっこだから、気にするな。」
「そういうのは、慣れない方がいいよ。」
ツバサが真剣な顔をしている。
「なんで?」
「本当に寂しいとき、気づかないから…」
ツバサは目を伏せた。
どういうこと?
「ふーん、わかった。適度に甘えてみるよ。」
「そうしな。」
ちょっと、私には難しい話みたい…
「ルイ、たまにはみんなで食べようね。」
「いいのか?あ、だったら、ツバサに勉強聞きながらでもいいか?」
真面目だな…
「ご飯食べ終わった後にならいいよ。ご飯中はルナとイチャイチャしたいから。ね?」
ツバサはそう言いながら、私の口元にゼリーを乗せたスプーンを近づけてきた。
何味だろ?
私はそれを食べる。
甘いブドウ味だった!
「これ、好き。」
「ほんと?良かった。」
ツバサはニコニコしている。
「いつもこんな感じなのか?」
ルイは軽く戸惑っているみたいだった。
「そうだよ。ルイの入る隙間なんてないから。」
「おぉ…」
なんか、ツバサ威嚇してる?
仲良くしてね。




