193話
私たちは大きな荷物を置くために、ツバサの部屋へ行く。
私は寮へ帰ろうとしたんだけど、ツバサが「もうちょっと一緒にいたい。」とお願いしてきたので、ついて行くことにした。
やっぱり、ツバサに甘いのかな?
「ささ、入って!」
ツバサは扉を開けてくれた。
相変わらず、綺麗にしてるな…
ツバサは荷物を端の方に置き、お茶を入れて持ってきてくれた。
「はい、ショコラティーだよ。」
「ありがとう。」
甘いチョコのいい匂いがする。
「あのね、ルナにお願いがあって…」
ツバサは遠慮がちに切り出す。
今日もか…
「膝枕?」
「えっとね、添い寝したい…」
添い寝?
「眠いの?」
「眠くはない!ただ、一緒にゴロンってしたいなって。」
門限まではあと2時間くらいだった。
まぁ、ちょっと長居しても大丈夫か。
「いいよ。」
私は床に寝転ぶ。
「それだと、身体痛くない?」
そう?
ツバサは寝ている私をお姫様抱っこして、ベッドに寝かす。
そして、自分も隣に寝転ぶ。
「えへへ、ルナの顔が近い。」
ツバサは嬉しそうにしている。
やばい…
自分のベッドよりフカフカだから、眠くなってくる。
部屋のグレードも爵位によって違うのか?
「ルナ、眠い?」
「ちょっと…」
「いいよ。1時間したら起こしてあげるから、寝な。」
「ありがとう…」
私はそのまま目を閉じて眠る。
「ルナ、起きて。」
ツバサの声がうっすら聞こえた。
もう1時間経った?
「おはよう…」
「おはよう。あと、30分で門限だよ。」
おぉ、まじか…
「ありがとう。」
「いーえ。」
ツバサは私をお姫様抱っこして女子寮の玄関まで運んでくれた。
快適…
「じゃあね、また明日。」
「またね。」
ツバサは走って帰って行った。
門限の時間ギリギリだもんな。
ごめんね…




