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191話

「あ、あの!」

今度は、獣人の先生が話しかけてきた。

「なに?」

ツバサはまたキレ気味で返事する。

「えっと、先程の地図の写真を撮りたくて…」

先生は怯えている。

「あぁ、いいよ。絶対に漏洩しないでね。」

「ありがとうございます!」

先生は嬉しそうに笑った。

そして、地図の写真を撮った。

「なんで写真撮りたかったんですか?」

私は先生に尋ねる。

「実際に行ってみるとき、こっちの地図があった方がわかりやすいかなと思いして…」

勉強熱心な先生だな。

「ツバサの説明、わかりやすかったですか?」

「はい!それはもうとても…私もあんな風に堂々と授業したいものです…」

先生はシュンとしてしまった。

「来年、先生の授業を受ける日を楽しみにしてますね。」

「ありがとうございます。」

先生は笑ってくれた。

「そろそろルナを返してください。」

ツバサが不満そうな声を出しながら、私に後ろから抱きついてきた。

「あぁ、ごめんなさい…」

先生はまた怯えてしまった。

「ツバサ、帰る準備は終わったの?」

「うん。あとはこの地図をしまうだけ。」

なるほどな。

「もういいですか?」

「はい。ありがとうございました。」

先生は丁寧にお辞儀をして、去っていった。

「先生ね、『ツバサみたいに堂々と授業したい。』って言ってたよ。すごいじゃん。」

「あの先生、いつもあんな感じで怯えてるんだ。そんなに怯えるような種族じゃないのに。」

そうなんだ。

「何の獣人?」

「たぬきだよ。」

たしかに、いつも楽しそうに踊るイメージがあるかも。

「心配?」

「いや、ちょっと気になっただけ。」

ツバサは私から離れて地図をしまい始めた。

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