187話
私たちは後片付けをし、食堂にカゴを返しに行く。
「ありがとうございました。」
「はいよ。」
結構、あっさりした方だな…
私たちは部屋へ戻る。
「はぁ、お腹いっぱいになったら眠くなってきたな。」
ツバサはわざとらしく大きな声で言い、期待の目を向けてくる。
急になんだ?
「何して欲しいの?」
「膝枕!」
ツバサは嬉しそうに答える。
「いいよ、はい。」
私は床に座る。
ツバサはルンルンしながら近づいてきて、寝転ぶ。
「えへへ、ありがとう。」
ツバサはニコニコと楽しそうにしている。
あぁ、かわいい…
私はツバサの頭を撫でる。
すると、本当に眠かったのか、目を閉じてしまった。
このまま寝てくれた方が、大人しくてちょうどいいかも。
「おやすみ。」
そのまま2時間くらい、ツバサは爆睡していた。
私はやることがなく、だからと言って動けないため、超絶暇だった。
だから、ツバサの前髪で遊んだり、ほっぺをムニムニしまくったり、とにかくツバサをいじって暇をつぶした。
ツバサは余程疲れていたのか、全く起きなかった。
てか、ツバサって、まじで綺麗な顔してるよな…
まつ毛は長いし、鼻筋はスっと通って綺麗だし、顔は小さいし…
これは、モテるな。
初めて会ったときは、チャラそうとか思ったっけ。
あと、絶対に浮気しそうとか、女の子大好きそうとか、あんまり良くない偏見がいっぱいあったな。
まさか、こんな一途に愛してもらえるとは思わなかった…
「ツバサ、いつもありがとう。」
「んん…ルナ。」
私が話しかけると、眠そうに目をあけた。
「ごめん、起こしちゃった?」
「ううん…って、俺寝てた!?」
ツバサはびっくりして、起き上がる。
「わぁ、最悪…せっかくルナと2人きりだったのに…」
ツバサはシュンとしてしまった。
「私は楽しかったよ。」
「俺は、悲しい!あ、でも、ルナの膝、寝心地良かった。」
ツバサは再度、甘えたように私の膝に寝転ぶ。
「ルナ。」
「ん?」
「撫でてほしいな。」
「いいよ。」
私はツバサの頭を撫でる。
「えへへ、幸せ。」
ツバサはふにゃあと笑った。
たしか、ケモ耳の間が好きだったよね?
ケモ耳の間を撫でてあげると、ツバサは更に顔がふにゃあとした。
えぇ、かわいい。
大きいわんこだ。




