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179話

「それで、どうするの?」

ツバサは不安そうな顔で聞いてくる。

「ルイとこのまま気まずいのは嫌だ。多分、他の2人に会ったら、ルイみたいに避けられるかもしれない。それも嫌だ。」

いや、アルスは大丈夫か?

「うん、そうだよね…ルナがルイとシルクのことを大切に思ってるのはちゃんと知ってるよ…」

ツバサは寂しそうにしている。

わかっているからこそ、自分の気持ちと私の気持ちのどっちも大切にしたいけど、どうしようもできないのが、もどかしいのかな…

てか、アルスのこと省いたな。

「とりあえず、1回みんなで会って話し合お?」

「わかった…」

うん、良い子。

私はツバサの頭を撫でる。

「ルナぁ…俺、ルナと別れたくないよ…」

ツバサは泣きそうになっている。

おい、待て。

誰が別れるって言った?

「なんでそうなるの?」

「だって、ルイもシルクも良い奴じゃん…そんな良い奴から告白されたら、揺らいじゃうでしょ?」

びっくりした…

昔のツバサなら、どんなことしてでも繋ぎ止めておきそうなのに…

成長したね。

やっぱり、友達の力はすごい!

「ツバサ、大丈夫だよ。別れない。」

「本当に?」

「本当。だって、私からプロポーズみたいなことしたでしょ?」

私の部屋に遊びに来たときのことだ。

あのときは、勢いで言ってちょっと後悔したけど、今はそれもアリかなって本当に思っている。

「ルナぁ…」

ツバサは泣き出してしまった。

あぁ、ばぶい…

よしよし。

ツバサはそのまま泣き続けた。

しばらくして、泣き疲れたのか静かに眠ってしまった。

もしかして、ツバサも不安で眠れてなかったのかな?

だから、勉強会の準備も夜にしてたのかな?

まぁ、明日のテストのために、練習じゃなくて、ゆっくりお休みでもいっか。

私はツバサの頭を撫でる。

というか、椅子から落ちないように支える。

私をお姫様抱っこしながら、椅子に座って寝ているツバサ。

ちょっと怖い…

降りようかなとも思ったけど、私が降りたせいでツバサか落ちたら嫌だし…

「ルナ…」

ツバサは少しギュッと強く抱きしめた。

幸せそうで良かった。

てか、日暮れてきたな…

そろそろ帰らないと。

でも、起こすのも可哀想だし、また寮父さんに見つかって叱られるのも嫌だし…

どうしよう?

「ツバサ、絶対に結婚しようね。」

私はツバサの寝顔が愛おしくなり、耳元で呟く。

「する!」

ツバサは勢いよく起き上がった。

「ルナ、俺が卒業したら結婚しよ!」

聞こえてたんかい…

「私が卒業してからね。」

「えぇ、あと2年もあるじゃん…」

ツバサは少し不満そうにしている。

「正確には1年半だよ。」

「そうだけど…長い!遠い!もっと早く結婚したい!」

めんどくさ…

「早くても私が卒業する1年半後。これは絶対。」

「わかったよ…」

ツバサはシュンとした。

「指切りしよ。」

「うん!」


ツバサに送ってもらい、女子寮について別れる。

帰り道のツバサは、すごく元気で楽しそうにしていた。

やっぱり、ツバサが楽しそうだと嬉しいな…

さて、明日のために今日も早く寝よ。

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