172話
「はい、教科書をしまってください。テストの準備をします。」
先生が時計を確認して、指示を出す。
テスト用紙が配られていく。
今度は2枚。
総合問題だから、出題数が多いのかも…
「始め!」
先生の号令で、一斉にテスト用紙をめくる音が響く。
楽勝、楽勝。
あ、これさっき見た問題だ。
見直しといて良かった…
「やめ!」
先生の号令で、テストが終わる。
簡単だったな。
今回も満点取れるかも!
「回収しますので、テスト用紙を裏返してください。」
先生が1枚ずつ回収していく。
今回は2枚あるから、2周している。
「はい、お疲れ様でした。明日もテストがありますので、しっかり勉強してください。では、解散。」
生徒たちは、ガヤガヤと騒ぎ始めた。
「ねぇ、ミンフィーユ王国の方の問6、なんて書いた?」
「え、それ2番が正解じゃないの?」
「やった!やっぱり、そうだよね!」
みんなさっきのテストの答え合わせをしているみたい。
「ルイ、お疲れ。」
私は隣の席のルイに話しかける。
「ルイに教えてもらった問題もでたね。ちょっと嬉しくなっちゃった。」
「そうだな…じゃあ、帰るから。」
ルイは目も合わせず、さっさと教室から出て行ってしまった。
え、冷た…
早く勉強したかったのかな?
まぁ、いいや。
私も図書館に行こっと。
図書館へ行くと、勉強している生徒が多く、席が空いていなかった。
「ルナ、お疲れ様。」
ツバサが私を見つけて迎えにきてくれた。
「こっちだよ。」
窓際の2人席をとっておいてくれた。
「今日はどうだった?」
「余裕!って言いたいところだけど、ちょっと不安かな…」
「珍しいね。」
ツバサはびっくりしている。
「実は、フラージア王国の問題で忘れているところが何ヶ所かあって…でも、テスト前に見たところも出題されてね!そこそこ自信はあるよ。」
「良かった。とりあえず、切り替えていこ!」
ツバサはニコッと笑ってくれた。




