169話
翌朝。
いつも通りツバサと2人で登校する。
「もうすぐテストだね。」
良かった。
今日は楽しそうにしてる。
話題は全然楽しくないけど…
「ツバサのおかげで、結構自信あるよ。」
「ほんと?良かった。」
ツバサはニコニコしている。
昨日のは、気のせいだったのかな?
そのまま、私の教室まで送ってもらう。
「じゃあね。」
私はついてすぐ、ツバサに別れを言う。
けど、ツバサは私の手を離さないでいる。
「もうちょっと…ダメ?」
おぉ、なんか久しぶりな気がする。
「いいよ。忙しいのは終わったの?」
「えっと、もうちょっとかかりそうだけど、今だけ!」
「そっか、頑張ってね。」
ツバサは、ギリギリまで手を離さなかった。
休み時間。
ツバサはすぐにやってきた。
「ルナ、勉強しよ!」
流れるようにお姫様抱っこし、私の席に座る。
なんか、これも慣れてきたな。
「今日は魔法数学の復習にしよっか。」
ツバサは、私の机からテキストを探している。
「ルナ、机の中の整理も頑張ろうね…」
中々見つからなかったからか、注意されてしまった。
「ツバサが整理してくれたら、嬉しいな…なんてね。」
「えぇ、いいよ。じゃあ、今は整理の時間にしよっか。」
ツバサは頼られたのが嬉しかったのか、楽しそうに私の机の中を整理し始めた。
ラッキー。
邪魔にならないように、くっついてよ。
「わ、ルナ…積極的だね…」
ツバサは照れている。
「机の整理してくれるお礼的な?」
「そっか…よし!俺頑張るよ。」
その後も、ツバサは楽しそうに私の机の中を整理してくれた。
お昼休み。
ツバサはすぐにやってきた。
「ルナ、食堂行こ!」
私はツバサに手を引かれ、食堂へ移動する。
好きなものを注文し、隣に並んで座る。
「最近、ガトーショコラも頼んでるよね。」
ツバサが私のお盆を見て話す。
「前世のときから好きなスイーツなんだ。」
「そういえば、カフェでは必ずチョコ系のお菓子を食べてたよね。」
ツバサは懐かしそうにしている。
「ルナの誕生日って、いつなの?」
そういえば、教えたことなかったかも…
「1月26日だよ。ツバサは?」
「9月28日。」
もうすぐじゃん。
「何かほしいものとかある?」
「えぇ、なんだろう…」
ツバサは考え込んでしまった。
無欲だな…
「ルナの1日とか?」
やっぱり、そうなるのか。
「いいよ。その日1日空けておくよ。」
「ほんと!?やったぁ。」
ツバサはふにゃあと笑った。




