160話
翌朝。
ツバサと2人で登校していると、後ろからアカリ先輩が走って追いかけてきた。
「ツバサ!ルナちゃん!おはよう。」
「おはよう。」
「また邪魔しに来たの…」
ツバサは嫌そうにしている。
「すぐ終わる話よ。ラナさんに色々調べてもらったんだけど、やっぱりダメみたいなの…」
アカリ先輩は悲しそうにしている。
「俺とルナで、討伐メンバーに入ったから。魔王を封印させないようには動けるよ。」
「本当?」
アカリ先輩は嬉しそうにしている。
「ただ、サイモンはアカリの光属性込みの作戦を考えていそうなんだ。しかも、氷属性が多すぎる。だから、光属性がなくなったアカリは用済みになるかもしれない…」
ツバサは残酷な未来もありえることを話した。
「クライス様が無事なら、私は大丈夫。」
アカリ先輩は覚悟を決めているようだった。
「俺の方でもちょっと動いてみるね。」
「ありがとう。じゃあ、邪魔者は消えるね。」
そう言って、アカリ先輩は校舎と違う方向へ行ってしまった。
「ツバサ、優しいね。」
「そう?ルナの負担が増えるのは嫌だしね。」
あぁ、私基準なんだ…
「あと、気になることもあるし。」
気になること?
「ちょっと忙しくなるかもしれなくて…だから、会う時間減るけど、大丈夫?」
ツバサは心配そうにしている。
「大丈夫。頑張って。」
「そこは、『寂しい。』とか『嫌だ。』とか『一緒にいたい。』とか言ってほしかった…」
ツバサは複雑そうにしていた。
「理解ある恋人の方が良くない?」
「俺の第1優先はルナだから。嫌だったら調整できるもん。」
だったら、最初から調整しなよ…
まぁ、それも大変なんだろうけど。
「寂しくなったら、盗聴器越しで話そ。」
「うん…」
ツバサは仕方がなさそうにしていた。
ツバサは私を教室まで送ると、名残惜しそうに去っていった。
私は自分の席に向かう。
隣のルイはまだ来ていないようだった。
スティもいなかった。
珍しいかも。
何して時間つぶそう…
やっぱり、勉強?
でも、ツバサがいないとモチベないし…
「ルナ、おはよう。」
私が何をしようか考えていると、ルイがやってきた。
後ろにはスティ、ピラナ、クララくんがいた。
「おはよう。みんなで何してたの?」
「討伐メンバーのお誘い。」
あぁ、動くの早いね。
「私がお役に立てるかわからないけど、精一杯頑張るわ!」
ピラナは嬉しそうにしていた。
シルクと一緒だもんね。
「なんで俺まで…」
「クララもいてくれると、心強いんだもん。」
「わかったよ…」
クララくんは嫌そうにしていたけど、スティに言いくるめられていた。
やっぱり、まだ好きなのかな?
まぁ、ミアみたいにそんなすぐには諦められないよね。
「というわけで、2人とも入ってくれたぜ。」
ルイは誇らしそうにしていた。
勝手に増やしていいのかな…




