12話
スティと一緒にグラウンドへ移動する。
授業が始まると、いかにも魔法使いって感じの先生が話し始めた。
「はい。それでは『フラージア王国』以外から来た人は、魔法と魔力を測定をするので並んでください。」
先生の横には水晶玉が置いてある。
そこに手をかざすと、色が変わり数字が浮かび上がってくる仕組みのようだ。
色によって属性が異なるみたいで、氷が青、炎が赤、土が緑、水が紫に変わって、属性なしだと色が変わらずに数字だけが表示されるみたい。
何人か属性なしもいるみたいだけど、魔力はみんな持っていた。
「おぉ、さすがルイ王子。炎と水の2属性持ちなんてすごいです。」
ちょうどルイが手をかざしているところだった。
水晶玉は、半分ずつ赤と紫にわかれていた。
他の王国でも複数属性を持つ人はいるみたい。
私は何かな?
やっと自分の番が回ってきて、手をかざす。
すると、金色に光り、10と表示された。
「なぬ!?!?!?」
先生や1部の生徒は、とても驚いている。
他の生徒は何が起こっているかわからないようだった。
「あの伝説は本当だったんだ。」
「よりにもよって、なんであの子が…」
「すげぇ、見られてラッキー。」
え、なになに?
なにがすごいの?
「えー、あなたの属性は光です。魔力は10と子供並みですが、頑張れば増えるでしょう。期待していますよ。」
え?
光って、あの光?
いや、何かの間違えでは?
「ルナ、すごいよ!伝説の光属性なんて、本当にすごいよ!!」
スティは興奮しながら駆け寄ってきた。
えぇ…
やっぱり、私がヒロインなんですか?
「ルナ、すごいじゃん。魔法見せてくれよ。」
ルイも寄ってきて、褒めてくれた。
「やったことないから、やり方わからない…」
「そっか。今日の1限目いなかったもんな。」
今日の1限目ってなんだっけ?
「魔法学だよ。」
無言でスティの方を向くと、察したのか教えてくれた。
うわ!
受けたかったかも。
まぁ、来週もあるし。
先生に大量の課題を渡されたし。
独学で頑張りますか!
そう思ったのもつかの間。
みんながグラウンド中央で練習している中、私はなぜか先生と1対1で練習させられていた。
しかも、厳しいハードモード。
「ほら、もっと姿勢を整えて。大きな声で、もう1回。」
うぅ、疲れたよ。
「返事は?」
「はい。」
私は魔力が10しかないため、すぐに疲れてしまうみたいだった。
だけど、魔力がなくなる度にポーションを飲まされ、何度も練習させられた。
だから、お腹がタプタプになってきたし、疲れも重なってきた。
「先生、そろそろ休憩とか…」
「ありません。あなたは他の子より魔力がとても少ないのです。だから、反復練習して、魔力を増やすしかないのです。わかりましたか?はい、もう1回。」
うぇーん。
お家に帰りたいよ。




