125話
放課後。
私は、早速勉強を始めることにした。
図書館に行く時間も惜しいので、教室の机で勉強する。
でも、何から手をつければいいのやら…
「ルナ、とりあえず4月のテスト見せてくれない?」
ツバサが前の席に座りながら、要求してきた。
4月のテスト?
どこやったっけ…
とりあえず、机の中を探る。
あ、あった。
「あったよ。」
机の中からぐしゃぐしゃになったテストたちが出てくる。
「ルナ、整理整頓も頑張ろうね。」
ツバサがテストを手でのばしながら、遠慮がちに言ってきた。
ごめんなさい…
「えっとね…お、歴史は満点じゃん!って思ったら、フラージア王国だったのね…」
そうです。
ゲーム知識で満点を取りました。
「あとは…うん。まだ間に合うよ。」
うぅ、ごめんって…
4月のテストは、魔法実技、魔法数学、歴史(フラージア王国)、言葉遣い・文法、社交・マナー、の5教科だった。
それで、歴史が100点満点。
あとは、全部微妙って感じ…
良くも悪くもない?
「次のテストはなんの教科?」
えぇ、なんだろう…
「あ、ピラナ!」
友達と帰ろうとしているピラナを発見し、声をかける。
「あぁ、ルナ。どうしたの?」
友達の輪から抜けて、こっちに来てくれた。
「次のテストの教科と範囲、知ってる?」
「知ってるわよ。たしかね、魔法実技がモンスターを1匹倒すこと。魔法数学が応用。歴史がミンフィーユ王国。フラージア王国の総合問題。あとは物語読解かしら。」
あらぁ、難しいことばっかり…
でも、物語読解は得意かも。
乙女ゲームいっぱいやってたし!
あと、フラージア王国は何でもいける!
「ありがとう。」
「もう勉強しているの?早いわね。」
「ちょっと進級が危うくて…」
「え!?大丈夫なの?嫌よ、ルナが退学とか。」
ピラナはびっくりしたあと、悲しそうな顔をした。
ちょっと嬉しいな…
「ありがとう。頑張るよ!」
「応援しているわ。じゃあね。」
ピラナは友達の輪の中に戻って行った。
「とりあえず、魔法数学からやろっか。」
ツバサが朝にやっていた問題集を指さした。
「応用なら、基礎からちゃんとやった方が簡単に思えるよ。」
それなら…
「じゃあ、とりあえず解いてみて。わからないところがあったら解説していくから。」
私が直接書き込みを始めようとすると、ツバサに止められた。
「ちょっと!あとで復習でもう1回やるんだから、ノートに写して解いて。」
ごめんって…
えぇ、でもノートに写すのめんどうだな…
「ツバサの問題集って、まだある?」
「あると思うけど…なんで?」
「そっちで復習するから、これに書き込んでいいよね?」
「はぁ、いいよ…」
ツバサは呆れた顔をしながら、許可してくれた。
えぇ、そんなに嫌なの?
まぁ、いいや。
1問目から難しいな…
でも、朝やった問題に似てるから、こうだろ。
「ツバサできた。」
「え!?すごいじゃん!見せて。」
ツバサが採点をしてくれた。
「惜しいね。ここが違うから、全部ズレてる。」
あらら…
「でも、解き方は合ってるから、その調子だよ!」
頑張るね。




