123話
図書館に着くと、当たり前だけど誰もいなかった。
入ってくるとき、司書さんに軽く見られた気もするが、まぁ気にしなくて大丈夫だろう。
私たちは横に並んで座り、勉強を始める。
「ルナ、どこがわからないの?今日は俺が先生だよ。」
ツバサは勉強道具を広げる気はなく、私に教える気満々だった。
テストをパスできる頭の持ち主だもんな…
「えっと、じゃあここ教えて。」
「あぁ、これね。」
ツバサは問題を見た瞬間、丁寧な途中式を全て書き出し、どうしてそうなるのか順を追って解説してくれた。
正直、めちゃくちゃわかりやすかった。
こりゃあ、先生向けの勉強会も開催したくなるわ。
「って感じなんだけど、わかった?」
「ありがとう。次から1人でもできそうだよ。」
「良かった。じゃあ、ちょっと休憩しよっか。」
ツバサは、自分の肩をポンポン叩いてアピールしている。
あぁ、寄っかかれと?
私は素直にツバサの肩に寄りかかる。
椅子に座ってだと、結構体勢きついな…
「もう少し勉強してから、休憩にしようか。」
「えぇ、もう終わり?」
私がすぐに離れたからか、ツバサは不満そうにしている。
「せっかく、ツバサが教えてくれてるんだもん。もうちょっと頑張りたい。」
「ルナ…わかった!俺もいっぱい教えるね。」
問題集を解き、わからなくなったらツバサに聞く形にしてもらった。
ちなみに、私が問題集を解いているとき、ツバサはニコニコしながら私を凝視している。
めちゃくちゃやりづれぇ…
でも、教えてもらう立場だから、頑張って気にしないようにした。
あっという間に時間が過ぎ、休み時間も終わりそうだった。
「ツバサ、早く教室に行かないと、3限目もサボることになっちゃう。」
「えぇ、いいよ。今日はここで勉強してよ。」
まぁ、それもいいけど…
「ダメ。私、サボり癖がついてるってみんなから思われてるの。ほら、行くよ。」
「えぇ、気にしなくていいよ。この学園、出席日数とかないし。」
そうなの?
じゃあ…ってならないよ!
「私は戻るけど、嫌ならツバサはここにいな。」
「ルナがいないなら、ここにいる意味ないもん。送ってく。」
「送ったら、ツバサが間に合わないでしょ?」
「いいもん。ほら、行こ。」
ツバサは私の手を取って歩き出す。
もう仕方がないな。
おまけ⑥を114話の後ろに投稿しました…
決闘が終わったら、デート編を分けて投稿しようと思っていたのですが、すっかり忘れ、平和な日が続いていました。
ごめんなさい。




