122話
翌朝。
目が覚めると、私は見慣れない部屋にいた。
え、ここどこ?
「ルナ、おはよう。」
ツバサにギュッと抱きしめられる。
「おはよう。ここどこ?」
「覚えてないの?昨日の放課後、ルナそのまま寝ちゃって、起こすのも可哀想だから、ベッドで寝かせたんだ。」
あぁ、寝落ちしたか。
あれ、でも着替えてるよ…
ツバサの方を見ると、ニコッと笑ってくれた。
「お風呂にはちゃんと入れたから安心してね。」
おい!
安心できるかい!
「なんで勝手に脱がしてるの!この変態!」
「なんで怒るの?付き合ってるんだし、前世でも一緒にお風呂入ってたじゃん。」
そういう問題じゃない!
「ツバサのバカ。もう嫌い!」
私は自分の制服に急いで着替え、部屋の外に出る。
しかし、男子寮だから注目されてしまい、1度部屋に戻る。
もう朝はサボる!
部屋の中では、ツバサがうつ伏せで倒れていた。
え、どうした?
「ツバサ…?」
呼びかけても返事がない。
大丈夫?
恐る恐る近寄ってみる。
ツバサは小声でなにか呟いている。
私はもう少し近づいてみる。
「ルナに嫌われた。嫌いって言われた。俺にはもう生きる価値なし。このまま死んだら、ルナは喜ぶかな。」
うわ、ネガティブ。
「ツバサ…」
私は、ツバサの体を揺さぶりながら話しかける。
ツバサはガバッと勢いよく起き上がる。
「ルナ!?ごめんなさい!もう許可ないときにしないから、嫌いにならないで!」
ツバサは必死に訴えている。
ちょっとドン引きするくらい必死…
「もう怒ってないよ。私も嫌いって言ってごめんね。」
「ルナ…ありがとう!」
そのまま抱きしめてきた。
はぁ、やっぱりツバサに甘すぎるかも…
1限目が始まる時間になり、2人でゆっくり登校しようとしたが、男子寮の玄関で寮父さんに見つかってしまった…
「なんで女の子を泊めているんですか!何か間違いがあったら、どうするんですか?」
そして、めちゃくちゃ怒られた…
「何か間違いって何ですか?俺らは婚約しているんです。問題はないし、責任も取ります。」
ツバサは堂々と言い返す。
「まだ学生でしょ?何を考えているんだか…」
寮父さんは呆れている。
「学生だからって、何ですか?俺は爵位もありますし、ルナを養うくらい余裕です。」
喧嘩腰はやめてくれ…
「はぁ、とにかくもう泊めないでください。風紀が乱れるから。ほら、早く学園に行きなさい。」
寮父さんはめんどうになったのか、私たちを追い払うように急かした。
もう授業も始まっている時間のため、私たちは図書館で自習することにした。
校舎の横の方にあるんだ。
1年2年共同で使う場所だから、一緒に勉強できる。
「さっきの、一言謝れば終わる話なのに。」
「だって、何も悪いことしてないもん。」
無断で泊めるのは悪いことじゃないのか?
「そんなことより、朝目が覚めて隣にルナがいるの、すごい幸せだった。今日も泊まってよ。」
さっき怒られたの、もう忘れたんか?
「泊まりません。しばらく、部屋にも行きません。」
「えぇ、ひどいな…」




