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おまけ⑤その後のミア

私は無事に魔法決闘に勝ちましたわ。

たしかに試合には勝ちましたが、勝負には負けましたわ…

はぁ、私が今までしてきたことに意味はあったのかしら。

一気にやる気がなくなってしまいましたわ。

スティ以外に一切興味がないから、婚約者はもう誰でもいいですわ。

私は1人、決闘場から離れて歩く。

今は誰にも会いたくない気分。

だって、ずっと想っていた大好きな人にフラれたのよ?

心の整理をしたいわ。

とりあえず、誰もいなさそうな旧校舎へ来た。

ほぼ立ち入り禁止みたいなところはあるが、危なくはない。

用がないなら来るなくらいの認識だ。

さすがに中は入りづらいので、外階段に座る。

今日1日のことを思い出す。

ミアお姉ちゃんか…

悪くはない。

悪くはないのですが、やっぱりお姉ちゃんよりも夫婦が良かったですわ!

私は、静かに目を閉じる。

スティ…

とても愛していましたわ。

今日でこの気持ちに区切りをつけないといけないわね。

いつまでもウジウジしているのは、私らしくありませんもの!

でも、今だけは…

「おい、ミア王女。大丈夫か?」

後ろからルイ王子の声が聞こえた。

ちょっと、空気読みなさいよ!

「なんですの?」

私は急いで涙を拭いて、振り向く。

「いや、心配でさ…追いかけてきたら、旧校舎に入っていくし。」

なんであなたが私を心配するんですの?

「余計なお世話よ。」

「知ってる。でも、心配だったから。」

ルイは軽く笑い、隣に座った。

「いっぱい泣いとけよ。」

私の頭の上に手をポンっと置く。

「うるさいですわ。」

その優しさに、私は堪えていた涙が溢れてしまった。

「俺もさ、ルナに失恋してるんだよ。だから、わかるよ。」

ルイはとても優しい声で話している。

「いっぱい泣いたら、結構スッキリするもんだぞ。」

「あなたもいっぱい泣いたってことですの?」

「まぁな…」

ルイは恥ずかしそうに、そっぽを向いた。

ちょっと意外ですわ。

私はルイに近づいて、肩にもたれかかる。

「お。どうした?」

「今日だけ、借りますわ。」

「いいよ。」

そのまま、ルイは静かにしていた。

私は思いっきり泣いた。

今日だけ…

今日で終わりだから…

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