111話
放課後。
「アルス様とミア様が魔法決闘するらしいぜ。」
「やば、見に行こ。」
「どっちが勝つんだろうね。」
何も知らない生徒たちが騒いでいた。
もう解決したから、やらないのにね。
「ルナ、どうしよう…」
ルイが隣で青ざめている。
「どうしたの?」
「魔法決闘は、1度申し込むとやらないといけない決まりなんだ…」
嘘だろ…
どちらか一方が負けを認めるまで続けるしかルールはないんじゃなかったっけ?
「問題が解決してても?」
ルイはゆっくり頷く。
やばいじゃん。
「でもさ、負けを認めれば良いんでしょ?やる前にどっちかが負を認めれば、やらなくて済むんじゃない?」
「あの2人だぜ?無理だろ…」
まぁ、たしかに…
「魔法決闘で負けを認めた方は、次で勝つまで一生言われ続けるんだよ。」
いつの間にかツバサが来ており、私たちの間に座ってニコニコしていた。
「じゃあ、勝つしかないってこと?」
「うん!」
そんな元気に頷かれても…
「ツバサも参加して、2人を止めるのは?」
「えぇ、やだよ。俺にメリットないじゃん。」
ツバサは嫌そうに口をとがらせた。
「ツバサのかっこいいところ、見たいな…」
「よし!やろう!俺も出るよ。」
ちょろ…
「ツバサ、お願いできるか?」
「ルナにかっこいいところ見せるためなら、俺出るよ。」
よし、頼もしい。
「それじゃあ、良い感じのところでツバサが乱入して止めるってことでいいか?」
ルイがわかりやすく話をまとめてくれた。
「最初からじゃダメかな?」
「あの2人が負けを認めると思えないけど、とりあえず最初は任せてみようぜ。」
そうだね…
「ルナ、俺が乱入するときは合図ちょうだいね。」
「わかった。」




