101話
私には用事がなくなったからか、『真実の間』から追い出されて、応接間に案内された。
しばらくここで待ってろだって。
1人で暇だな…
あ、そうだ!
「ツバサ、聞こえる?あ、まだ授業中かな?」
イヤホンみたいなモノを耳につけて、ツバサの音を聞く。
「先生、少し体調が悪いので、失礼します。」
おい、サボるな。
私が言えたことじゃないけど…
その後、走る音が聞こえ、なんかガタガタ言っていた。
「ルナ、お待たせ!どうしたの?」
ツバサは嬉しそうに応えてくれた。
「今、暇でさ。ツバサも暇だったら、お話しようかなって思っただけ。わざわざ授業抜けるほどの用事じゃないよ。」
「大丈夫。授業受けなくても、全部わかるから。あと、授業よりルナの方が大事だから。」
そうなんだ…
あれ?
でも、2年生の1位って確かミアだったよね?
「ツバサって、テストの順位は何位なの?」
「え?テスト?なにそれ?俺、受けたことないんだけど。」
は?
「そういえば、テスト範囲とかテスト休みとかあったな。でも、1年生のときから『俺は受ける必要ない。』って言われてね。なんでかわからないけど、1回も受けたことないや。」
そんなことある!?
「あ、でも…大きな休み前に簡単な問題を1人で解いてたな。あれはなんだったんだろ?」
それがテストの代わりなのでは?
多分、鬼難しい問題なんだと思う…
「問題を全部解き終わるとね、先生たちが集まってきて、俺の解説会が始まったんだ。特に用事もなかったから、やってたけど次から断ろうかな。」
ツバサに勉強を教わる先生たちって一体…
「やめない方がいいよ。」
「なんで?」
おぉ、本当にわかってないみたいだぞ。
「多分、ツバサにとっては簡単な問題でも、他の人にとってはめちゃくちゃ難しい問題だと思うの。それを解いてみんなに解説するのが、ツバサのテスト代わりってことなんじゃないかな?」
「えぇ、でも本当に簡単な問題なんだよ?」
ちょっとどんな問題か気になってきた。
「例えば、各王国の歴代の国王様の名前を全て答えろとか、威力30の魔法を打ったときの衝撃とか、アニマル王国の動物の種類についてとか…」
ごめん…
何言ってるか、全然わかんないや…
「ルナに教えるなら、いくらでもするけど、先生だよ?先生なら知ってて当然でしょ?」
私にはどれだけ難しいかもわからないけど、まぁ解説会が始まるくらいなんだから、相当難しいんだろう。
「それよりもっと楽しい話しよーよ!」
うん…




