私の皇后と皇妃は仲がいい。
あらすじ(ここにも載せておきます)
皇帝が仲のいい二人をみて今までのことを考える話。
また、その数年後の話。
この話だけでも楽しめるように書いたつもりですが、
【恋愛感情がわからない私がお飾りの皇妃になって幸せになる話】の (side皇帝) です!
皇后と皇妃はとても仲がいい。
皇后とは恋愛結婚で、皇妃とは政治的な意味を含んだ結婚だった。呪いをかけられた皇后(当時は皇妃)が世継ぎなどの問題を考え、友人である侯爵令嬢に第二皇妃になってくれないかと頼んだ。
あっさりと皇妃になった彼女は呪いを解くのに奔走し、結果見事成功した。
皇妃は皇妃になると決めた日、《恋愛に関する感情がない》と深刻そうな顔で話した。こういう人達が虐げられてきた歴史があるだけにかなりの決心をしたのだろう。皇后は温かい言葉をかけ、私もそれに共感した。きっと皇妃は私達の心配をなくすために打ち明けてくれたのだろう。
私は皇妃のことが人間として好きだ。私達はお互い夫婦として過ごしていないから関係性は少し変わっているだろう。しかし家族のように大切に思っている。
皇后と皇妃は姉妹のようだと思っていたが、どうやら皇妃は私のことも兄のようだと思っているらしい。それはうれしいことだ。家族に恵まれず学園で泣きながら皇后に愚痴をこぼしていた彼女の姿はもうない。
今、皇妃は皇后とともにメラメラと政策の話で盛り上がっている。なんか「やったるぞー!」とか言ってガシッと握手した手をブンブン振ってる。楽しそうでなにより。こりゃまた私も頑張る必要がありそうだ。三人でならこの国をよりよくしていけるだろう。
◇
何年か後。(皇帝の秘密)
皇妃に皇后を取られたなんて思ってることは知られてはならないのだ。恥ずかしいではないか。
ほんとにたまーにだぞ?嫉妬は。普段は微笑ましいのだ。
悟られてはならない。
皇后には可愛いとか言われて、皇妃には揶揄われるに決まっている。
たまに気付かれると、私は皇后に夜めちゃくちゃに愛されるのだ。おかげですぐに4人も子供ができた。しかし、夜私がくたくたになるまで愛されていることは2人だけの秘密だ。私は威厳のある皇帝だからな、絶対に内緒なのだ。