恋文
・ゆき慣れし 興も親しき 夏の時
・満ち満ちる 赤きワインと 君と僕
・飲み友に 触れし指先 絡ませる
・ひまわりと 君をなくした カウンター
・塩をふり 沈黙しせり 見つめ合う
・花開く 蒼き紫陽花 夜を超え
・憧景の 聞こえし会話に ハレルヤ
・敵わない 心映ろう 夜の鏡
・腹が鳴る ここは我慢と 明日のため
・突き出した 言霊強き黒き君 見返しまなこに 悪鬼見ゆ
・朝焼けに 黒を見つけし夜想う 紅を引きつつ、抱れし君を
日々、何かを感じ、何かを見つけ、何かを糧とする。そんな日々でありたいと願っています。孤独であるは何かを見つける時、必要な時だと思う。決して寂しい時間ではない。
・理由知る 同機種スマホ ピンク色
・色褪せる 恋を拭きつつ 前を向く
・空と没り 作りしキミの 今日を生き
・才能を 慈しんだの ごめんなさい
・これはこれ 器用な区別 不分別
・可哀想 言い退け意志の 不誠実
・九十九折 見上げてみれば 己が業
若き頃、朝方の階段を下りて来た母が、二日ぶりに顔を見た私を見下ろして「長いご飯会だったね」と甲高く言った。私はそんな母の行動に“ずっとそんなくだらない事を言うために、神経を使って起きていたのか”と呆れた。そんな母も今年80歳になった。母は今、家族ではない人の力を借りて生きている。人生は惨く。勝手だ。