人生には何の役にも立たない知識・思考をつらつらと書くエッセイ集
ソロ活は感性豊かな、とても高尚な遊びである
ソロ活。
焼肉、ホテルビュッフェ、カラオケ、水族館……
通常なら友人や家族で行くようなところに一人で行く事。
それがソロ活です。
高級なお宿に一人で止まったり、一人で海水浴に行ったり。
今はやりのソロキャンプなんてのも、ソロ活の一つでしょう。
今や市民権を得つつある、一人で趣味を楽しむソロ活。
よく考えるとソロ活って、感性がとても高い人でないと出来ない遊びだと思うんですよ。
なぜ家族や友人と、多人数で遊びに行くか。
それは自分の楽しんでいる姿に共感してもらうため。
そして相手の楽しい姿を見て自分の楽しいを強化するためだと思うのです。
例えばカラオケ。
友人があの流行り歌を歌う。
自分も好きな歌を歌う。
大してうまくなくても、お互いに楽しそうに歌う。
その姿を見ることで、自分自身を盛り上げているはずです。
さて、ソロ活カラオケならどうでしょう?
あなたは一人で好きな歌を歌って、気持ちが盛り上がりますか?
普通の人は、一人で歌っても気持ちが盛り上がらないでしょう。
いや、それどころか
「なんで私、一人でカラオケ歌ってるんだろう……」
と何か冷めてしまうかもしれません。
おそらくですが、大半の人は一人カラオケで盛り上がることは出来ません。
もちろん私も出来ません。
ところが、ソロ活が出来る人は違います。
その人はカラオケで歌う、その行動自体に意味を感じられる人なのです。
純粋にカラオケが楽しいから、一人でも楽しめるのです。
焼肉だってそうです。
たくさんの人を連れ立って行く焼肉は焼肉だけが目的ではありません。
焼肉に行くというイベントを誰かと共有する事が目的の一つです。
うまそうに食べる隣人たちを観察して、それ自体に自分が乗せられます。
おいしい店でなくても、なんとなく楽しかった。満足出来た気がする。
そう自分をある意味『騙す』行為が含まれている事もあります。
だから、極論を言えば焼肉店でなくてもそれは成り立ちます。
一方、ソロ活焼肉はどうでしょう。
そう、ソロ活は焼肉自体に意味を見出しています。
おいしい焼肉をただ堪能したい、自分の舌で感じたい。
、焼肉を食べるだけで自分を満足させられる。
そんな自分の感性をしっかり持っている人だと言えるのです。
ソロ活が出来る人は感性豊かな、遊びの上級者なのです。
ところで、〝#ソロ活”なんて書き込みをSNSで上げている人、いますよね。
これはこのソロ活の定義からいうと、完全に偽物です。
自分でソロ活と言いながら、他人とのつながりを求めてしまっている。
目の前の“活動”に注力せず、他人からの目を気にしてしまっている。
そんな行動がソロ活だと言えるでしょうか。
彼らは自分の感性を信じられない、自分の無い人です。
彼らは自分の感性で目の前の物を良いと断定できる自信が無いのです。
だからSNSに投稿します。
そしてイイネをもらいます。
「楽しそうだね」とコメントをもらいます。
「いいなあ、私も行きたい」なんてコメントをもらえばテンションMAX。
しかし何度も言いますが、彼らは“それが良い”と断言出来ない人なのです。
自分の感性に自信が無いから、他人に褒めてもらわないと落ち着かないのです。
他人に共感してもらって初めて、自分が良い行動をしていると認識できます。
楽しそうだね、と言われて初めて、楽しくなる。
私も行きたい、と言われて初めて、行った事に満足する。
価値判断を他人に委ねて安心を手に入れたい人たちなのです。
でもそれが世の普通の人。
普通の人には確固たる自信なんてある訳ないのです。
だから他人の評価を見て「ああ自分は正しいぞ」と確認するしかないのです。
本当のソロ活達人は、他人の評価や外からの盛り上がりが必要ありません。
SNSだって必要ありません。
彼らは自分が楽しいと感じる事を、一人で全力で満喫できます。
これこそが、ソロ活の本質。
ソロ活が堂々と出来る人。
彼らはとても高尚な趣味を持つ、感性豊かな優れた人だと言えるでしょう。
自分の経験する事に集中し、それを大事にする。
人生、こうありたいものです。