紅蓮の悪魔
「俺の年齢はいいとして、立ち話も何だし、中に入ろう。」
「は、はい。」
イーナの敬語は直らないらしい。イーナが家の中に入ろうとした時、森の中から人の気配を感じた。
「やっぱり嘘じゃねーか!ぐそやりょう!」
あ、噛んだ。『クソ野郎』と言おうとしたのに噛んじまったよ、あいつ。その仲間の一人がリーダーの耳に小さな声でそれを指摘した。
「あ、兄貴、噛んでる、噛んでる!」
「やっぱり嘘じゃねーか!クソ野郎!」
何事もなかったかのように言い直した。
「……」
フイっと俺とイーナは視線をそいつら(といかリーダー)から逸らした。
「!!そんな失敗は誰にでもあるさ、みたいなあざとい逸らし方やめろ!めっちゃ、戦う前にダメージ食らったわ!心に!」
「で、こんな家に何の用だ?」
「何の用だ?じゃねーよ!そのアマ、こっちに渡しな。そうすりゃあ、痛い目見ねぇぜ。ちなみに、オイラたち相当強いからな!『紅蓮の悪魔』の刺客でもあるんだからな!」
「へー、お前らが。」
『紅蓮の悪魔』ね。巷じゃあ、そう呼ばれてるんだな。『紅蓮の悪魔』とは世界全土に指名手配されている叛逆者、とされている人物だ。
イーナは俺を心配して小声で言った。
「レイハさん、逃げて下さい!私だけでもどうにかしますから。」
優しいなと思いつつ俺はイーナに小声で呼び掛ける。
「イーナ。」
「はい、何ですか?」
いきなり声をかけた俺を意表を突かれた表情で見るイーナ。
「頭できるだけ下げろ。」
「?わかりました。」
疑問だらけでイーナは地面に体を伏せる。三人組もいきなり体を伏せたイーナに怪訝な顔をする。俺はそれを確認して、三人組に言う。
「一つ、質問だ。」
「何だ?」
「『紅蓮の悪魔』の特徴は?」
そう言いながら乱れた髪を指ですく。
「えーと、紅蓮の瞳に長身で、髪は癖のない黒髪。だけれども、一房が瞳と同じ紅蓮のか、み。」
と案外正確な情報を言って俺を見てそいつらは固まった。正確には俺の髪を見て。
いつもは他の髪に混じらせて隠している一房の髪は
「紅蓮」
三人組は急いで武器を召喚するが遅い。
「王手だ。」




