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冥王の刀  作者: 涼
第一節:必然の出会い
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イーナの目覚め

 私、イーナ・シャインは意識が戻りました。私は知らない場所で寝かされていました。確か、私は奴隷商人たちに追われていて…。

 そこで私ははっとなって、布団から上半身を起こして、頭部の痛みに上半身を倒しました。腕だけ動かして、頭を触ったら頭に包帯が巻かれています。しっかりとした処置をしているのがわかりました。奴隷商人は奴隷にする人にそんなことしません。ということはどこかの人が私を助けてくれたに違いありません。

 耳を澄ませて、周りの様子を確認すると、近くで薪を割る音がしています。どうやら、この家主が私を助けてくれたみたいです。とりあえず、感謝をしなければと思い、体をゆっくり起こしました。改めて周りを見て、一人分の茶碗や湯飲みからここの人が一人暮らしであることがわかります。靴は脱がしたのか、玄関のところに置いてありました。靴を履き、木の横開きのドアを開けて、外に出ました。薪を割る音は家の裏から聞こえます。家の大きさはそう大きくなく、はっきり言いますと狭いですね。家の横の家庭菜園を通って、裏に回ると、そこには黒の着物に袴を纏った背の高い二十代後半くらいの青年が立っていました。しかし、驚いたのは薪を割っているのが斧ではなく刀で割っているのです。カーンと甲高い音を響かせていますが、刀で薪を割るのは簡単なことではありません。

「す、すみません!」

 ちょっと引きぎみになった姿勢を正し、青年に向けて声をかけました。青年は振り返って、私を見ます。青年はバランスが整っていて、男らしい顔つきをしています。今は乱れていますが、癖のない黒髪で、光人にありがちな髪色でした。しかし、瞳が光人にしては珍しい色の紅色で、美しい暁が輝く夜を思わせます。光人は黒髪、黒の瞳です。私は半分光人、半分聖人ですが髪色は黄緑、瞳は青です。

「あ、意識が戻ったんだな。」

「はい、お陰様で。手当て、ありがとうございます。」

「別にいいんだ。怪我している女の子を放っておく方が人としてどうかと思う。」

 彼は苦笑しつつ、そう答えた。

「ところで、自己紹介なんだが、俺はレイハ。」

 あ、この人は…!


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