第54話 銀花姫と魔女正月(サーオイン)
第54話 銀花姫と魔女正月
ネフィルが炎の魔法の触媒のまじないのためにフェリシアはマーレイン、ターニップを育てていたのでした。
エリザベス「何よこの2m近くある植物は?」と燃える松明の如く大きな草を指して言った。
フェリシア「マーレインだよ~灯心草、鬼婆のろうそくとも呼ばれていて魔女の正月の明かりづくりに利用されているのよ」
エリザベス「魔女の正月? 」
フェリシア「魔女の正月って1年間燃やしていた火を消して同時に新しい火をともすことから始まるんだよ~」
アリス「へえー 能天気かと思っていたら結構考えているんだ」
フェリシア「アリスちゃんひどいよ~。 魔女の正月は生まれ変わり転生を司る儀式なんだよ~」
エリザベス「それって不死鳥フェニックスが司るものと同じ転生を司っているの?」
アリス「そうするとそのターニップは?」
フェリシア「ターニップ(カブ)をくり抜いて転生者の道しるべの火をともすランタンの材料になるんだよ。 不死鳥フェニックスと親和性を高める儀式に必要なんだよ~。 でも、ネフィル君がイフリートと契約を交わすまでは流石に不死鳥フェニックスと契約を交わすのは儀式によるサポートがあっても無理だけどね」
エリザベス「フェリシアさんは儀式抜きで守護竜ユスティアと契約を交わしているから規格外だわ」
セリーニ「それでも彼がフェニックスと契約を結ぶのは難しくない?」
フェリシア「それは……。 10年や20年くらいは待つわよ」 小さな声で「だって永久に近い時を過ごすんだもの」とつぶやいた。
フェリシアたちは気を取り直して銀花亭でいつものアトリエ営業を始めたのだった。
クリス先生「お前たちアトリエの経営は順調か?」
フェリシア「先生金貨10枚なんて楽勝よ。 白金貨が大量にあるよ~ 育毛剤買う?」
―——―ゴチン
クリス先生「相変わらず俺に喧嘩売っているなあフェリシアよ」 っとボキボキ拳を鳴らす
フェリシア「クリス先生怖いです」
クリス先生「安心しろ拳骨はお前とアリスにしかやっていない。 それとネフィルはどうした?」
エリザベス「彼は炎の魔法の修業中です」
フェリシア「先生も再生の儀式に参加しない? 」
クリス先生「儀式だと?」
フェリシア「サーオインと呼ばれる魔女の年の終わりと新年を迎える儀式だよ古い火を消して新しい火をつけることで古き死と再生を願う儀式だよ~」
クリス先生「ずいぶん本格的なんだなだが俺はパスだ。 さすがに魔法には疎いからまずいだろう」
銀花亭の周りに結界を張りサーオインの儀式をしたのだった。
フェリシア「遠くないうちにフェニックスさんと契約ができるように」
その神子のの祈りはフェニックスに届いたのだが、それはフェリシアたちの運命が大きく変わる幕開けだったのだ。




