第50話 聖国の神子フェリシア
第50話 聖国の神子フェリシア
私は守護龍ユスティアと契約した夜に知った。
聖国の建国王と聖母の娘であることの真実を……。
父アーサーと母ルフィアが人ではなく神化していたこと。
力を封じて人として生きれるようにされていたこと。
守護龍ユスティアと契約によってもたらされたことにより、今までより遥かに強い力を得たフェリシアは自分自身の力に偽装がかけられていたことに気が付いたのだった。
守護龍ユスティアと契約により本当の力が解放されフェリシア自身も神化して鑑定魔法により半神だということを知ったこと。
フェリシア「私って人間じゃなかったんだ、まだみんなと一緒に過ごしたかったのに……。」
自分自身の正体を知ったフェリシアはその日アルティアから姿を消そうとしたのだった。
「これでいいんだよね」一人透明の涙を流しながらユグドラシルの地から離れるフェリシアのもとに
フェリシアの様子がおかしいことに気が付いたネフィルが待っていたのだった。
ネフィル「フェリシアちゃんどこに行くの!」
フェリシア「私人間でないからこの国に住むわけにはいかなくなったのよ」
ネフィル「でもフェリシアちゃんはは泣いている。
フェリシアは以前みんなが笑顔でいられる国にしたいって言っていたのになんで君は泣いているんだよ!」
背後から翔けてくる足音が聞こえ
エリザベス「神子だからってこの国の人間よ。 どうして国から去ろうとしているの!」
フェリシア「だって、私は人間でなくなったんだもん、 みんなと一緒に居れないよ」
ネフィル「人であってもなくてもフェリシアはフェリシアだ!」
フェリシア「でも私だけ数千年の時を生きるってことなんだから100年もすればみんなもいなくなってしまうのよ!
そんなの私耐えられない」初めて見るフェリシアの激高した姿に
セリーニ「確かに私たちは100年も持たずに死を迎えると思うわ。 でもまだ50年以上も先のことではなくて?」
フェリシア「でも、その後は一緒に居られない……」
ネフィル「僕たちは無力だ。 でも、探せば一緒に居られる方法はあると思うよ。
現に聖王様と聖母様は人の身から神化したんでしょ?」
フェリシア「どうしてそれを?」
サクラ「周りは気が付かなくても私は気が付いていたもの、
これでも賢者なのよアーサーさんたちは私と同じくらいの年だったのよ。
私もまだ20だけど老化遅延の魔法は使えるのよ。500年くらいはあなたに付き合えるわよ
それにアーサーさんたちが神化したのは神格したものと契約を交わしたからなのよ。
同じく神格したものと契約を交わせば永遠に近い時を生きることは可能なはずなのよ」
ネフィル「聖王様たちが神化したのなら僕たちでも神化する方法はあるんじゃないかと思う。
それを信じてもう少し僕を待ってほしい」
フェリシア「ずるいよネフィル君。 そんなこと言われたら私街から出られないじゃないの。 責任取ってよね」
と泣き笑いの表情でまじめな顔をしたネフィルにキスをして。
お互いに真っ赤になるフェリシアとネフィルだった。