第48話 銀花姫のすみれ色の瞳に映るものは
第48話 銀花姫のすみれ色の瞳に映るものは
アバロンから戻り銀花亭でポーション売りの準備をしていたフェリシアはいつものようにポーションを作っていました。
ルーナ「フェリシア様。 瞳どうしたのです?」
フェリシア「? 瞳って?」
エリザベス「今まで灼眼だったのに紫がかかった蒼色になっているわ」
フェリシアが鏡を見ると「あー本当だ! でもどうして眼の色が変わったんだろう?」
アリエル「お姉さま。 守護龍様と契約を交わしたからではないですか?」
サクラ「守護龍ユスティアと契約したの? そうなると……水龍との契約の影響で水を示す蒼色が瞳に反映されてもおかしくないわね」
セリーニ「フェリシアさん何か体に変化はありませんか?」
フェリシア「うーーん 今までより水の魔法の調子がいいような気がするよ~」
アリス「ちょっとー フェリシア下級ポーション作ってって言ったのに中級ポーションじゃないのこれ」
フェリシア「あれ?って癒し草と水だけのはずだけど……」
サクラ「フェリシアちゃんが水魔法で出した水霊力を持っているわよ。 霊水と癒し草だと中級ができるわよ」
フェリシア「ほえー。 いつも通り水を出したのに~。 なんでーー」
セリーニ「守護龍ユスティア様の加護の影響だと思いますけど」
フェリシア「普通の水出せなくなっちゃったよ~」
サクラ「魔法で水を出すとき力を弱めに意識して出してごらん」
フェリシア「水よ出てきて!」
フェリシアが呼び出した水は瓶にたまりサクラが鑑定すると…。
サクラ「今度は普通の水みたいよ」
フェリシア「ふえーん。意識しないと普通の水魔法が使えなくなっちゃったよ~」
サクラ「ルフィア様も水魔法を使うとき意識しないと聖水が出てきたようだよ」
フェリシア「お母さまもだったんだ~」
ちょっとした騒ぎになったものの銀花亭を開店したのだった。
お店を開けると
冒険者「フェリシアちゃんポーション頂戴」
フェリシア「はい。冒険者さんどうぞ」
冒険者「あれ?フェリシアちゃん眼の色がすみれ色になった?」
フェリシア「いつの間にか目の色が変わったみたいなんだよ~」
冒険者「まっフェリシアちゃんだから不思議ではないか……」
フェリシア「ひっどーい」
一応看板娘なのでお客さんもフェリシアのことをよく見ているのでした。
昼になり店番をセリーニと交代してネフィルと昼ご飯を食べることになったフェリシア。
ネフィル「あの。 フェリシアちゃん」
フェリシア「何?ネフィル君」
ネフィル「すみれ色の瞳似合っているよ」
フェリシア「ネフィル君ありがとう」
ネフィル「フェリシアちゃんは神子やっていて大変だと思わないの?」
フェリシア「うーん。 気が付いた時からずっと神子だったから大変だと思ったことはないよ。 どうしてそんなこと聞くの?」
ネフィル「いきなり守護龍ユスティア様の加護を得たりして戸惑ったりしないのかな?と思って」
フェリシア「お父様やお母さまが命懸けで守った国だから、私もしっかりしないとと思っていつも空回りしているんだもん」
ネフィル「空回りなんてしていないよ。 フェリシアちゃんは立派な神子様だよ」
昼休みが終わり
調合のお時間になると
アリエル「フェリシアお姉さま。 一緒にポーション作ってください」
フェリシア「いいよ~アリエルちゃん」
いつものようにポーション作りをしていたが、 気を抜くと中級ポーションができてしまい(効果が高い分値段が高いのでなかなか売れない)
アリエル「お姉さますごいです。 あっさり中級ポーション作ってしまうなんて、 本気でやったらどうなるんですか?」
フェリシア「よーしやってみるぞ~」
魔力を強く籠めてポーションを作ると金色のポーションが出来上がったのだ……。
サクラ「そのポーションって……えーい鑑定魔法! ……うそっ!エリクサーじゃないの!」
フェリシア「えっ? それエリクサーなんだえへへへ」
サクラ「即刻封印!」
と見なかったことにしたのだった。




