第39話 銀花姫とお兄の朝
第39話 銀花姫とお兄の朝
ゲオルグは7歳の誕生日を迎えパーティーが終わってから
銀花亭で泊まることになった。
フェリシア「ねえお兄ちゃん。 お父様とお母様ってどんな人だったのかな?」
ゲオルグ「聖王様、聖母様って言われているけど俺達が物心がついた時には故人だったからな」
フェリシア「でも、私お父様に似ているってみんなに言われているのよ」
ゲオルグ「でもフェリシアって銀髪だから母様に似ていると思うけど」
フェリシア「容姿ではなくて性格とやることが似ているって言われているのよ」
ゲオルグ「お前が? ぞんび呼んだり、変なもの作ったり、ソレ爺がいつも頭抱えているのに?」
フェリシア「お父様も同じことやっていたみたい。 でも聖王って呼ばれているのって何かがおかしいと思うよ」
ゲオルグ「俺もそう思う。 でも領主館や、聖王神器も変なのが多いから結構変わった性格なのかもしれないね」
フェリシア「逆にお母様は剣の姫とか創生の聖女って呼ばれていたみたいだよ~」
ゲオルグ「父様と比べえると目立つ話がないけど、すごく強かったことと、 街中で回復魔法で人を癒したりしていたみたいだね」
フェリシア「お兄ちゃんは容姿はお父様譲りみたいだけど、 武芸に長けているところはお母様譲りみたいだよ」
ゲオルグ「そっか、 フェリシア外套ありがとうな。 ちょっと派手だけど」
フェリシア「あー。 それはシュトラールとクリスベルの守護神をかたどっているからしょうがないよ~」
ゲオルグ「そろそろ眠くなってきたな。 おやすみフェリシア」
フェリシア「スースー」 と寝息を立てていた。
ゲオルグ「早!」と言いながら布団にくるまったのだった。
———— 次の日
双子は夜まで話していたのか盛大に寝坊していたのだった。
エリザベス「起きなさーい」
とフェリシアの布団をひっぺがえすと
エリザベス「あれ? いない……ひゃ」 と足首を冷たい何かに捕まれたのだった
フェリシア「引っかかった~」 と雪で手を冷やしてベットの下に隠れてエリザベスの足首をつかんでいたのだった
—— ゴチンとエリザベスの拳骨がフェリシアの脳天に落ちたのだった。
フェリシア「痛いよ~」
エリザベス「わたくしもビックリしたんですから当然よ!」
ゲオルグは騒ぎで目を覚ましていてすでに着替えていたのだが、
エリザベス「ゲオルグさんその服は?」
とウサギがプリントされた服を着ていたゲオルグだった……。 寝ぼけてフェリシアの服を着ていた。
フェリシア「ひどいよ~。 お嫁に行けなくなっちゃうじゃないの~ 責任取ってよ」
エリザベス「双子の兄じゃ責任取れないわよ……」
———— 食堂(大テーブル)
サクラ「遅かったね」
フェリシア「寝坊しちゃった。 てへっ」
ゲオルグ「スミマセン遅くなってしまいまして」
セリーニはすでに昨日の残りのローストチキンを食っていたのだった。
フェリシア「セリーニちゃんそれ私が食べようとしてとっていたやつなのに~」
セリーニ「早い者勝ちです」
フェリシア「えいっ」 とセリーニの皿のショートケーキを強奪して食べたのだった。
セリーニ「あっ私のケーキが……」
フェリシア「お返しだよ」
ゲオルグ「お行儀が悪いぞ!」
セリーニ・フェリシア「ごめんなさい」
にぎやかに朝ごはんの時間は過ぎていったのだった。
玄関でゲオルグが別れを告げて
フェリシア「また来てねお兄ちゃん」
久しぶりにゆっくり双子は時を過ごしたのだった。




