第4話 銀花姫と古書鑑賞と世界樹?
第4話 銀花姫と古書鑑賞と世界樹?
フェリシアは夢幻図書館から帰るとすぐに寝てしまったのでした。
目が覚めてからは図書館で入手した本を読み始めたのでした。
その様子を見てまたいつも何かしでかすのでは?と警戒しているソレイクは読書なら大丈夫かとほっとしていたのです。
木の精霊についての本と鑑定魔法の書について調べていたのです。
本には木の精霊についてはサクラが言っていた通り中位精霊のドライアードと上位精霊のエントに分類されていると記されていたのでリンネちゃんの存在はドライアードかエントなのかと一瞬思ったが、フェリシアはなんとなくだが、どちらでもないような気がしていたのでした。
難しい顔をして本を読んでいるフィリシアに侍女だったリズが話しかけてきたのでした。。
「フェリシア様何をお読みになっているのですか?」
リズが本をのぞき込と古代文字でびっしり書かれているのを見て
「ずいぶんと難しい本をお読みになっているんですね?」
「イグニス語とエレジア語って難しいのよ」
リズはフェリシアのイグニス、エレジアという言語の話を聞いて
「イグニス?エレジア?ってどこの言葉ですか? そんな国ないですよ」
「古代語だよ~」
「古文書ですか! よくそんなもの読めますね?」
「難しいよ~」
「どんなことが書いてあるのですか?」
フェリシアが持つ本のを法を見てリスが尋ねると
「木の精霊についての本だよ」
「木の精霊ってドリアードとかエントとかですか?」
リスが答えるとフェリシアが身を乗り出して
「リズおねえちゃん知っているの?」
予想以上に食いついたため面を喰らったリスが引き気味に以前のことを思い出すかのように語った。
「ええ。 私は以前アーサー様に薬学を師事していただきました。
アーサー様が、高度な薬の調合には霊薬や霊樹の素材が必要になると教わりました。
そして高レベルの魔力を持つ素材は精霊が宿る場所にしかほとんど生えないとおっしゃっておりました。
そういっても私は精霊は見たことがありませんが」
「ねえリズおねえちゃん。 ドリアードとエント以外にも木の精霊っているの?」
「魔力餅のスポットに生える亜種の樹木とか、神樹である世界樹であれば私の知らない精霊とかもいるかもしれませんが」
ちょっと考えるかのようにつぶやくいたリズだが、
「世界樹ってうちの中庭にも生えているけど精霊がいるようには思わないけど」
リズがあきれた表情で
「世界樹が中庭に生えているわけがないでしょう。
そもそも調合で私は世界樹の葉を扱ったことがあるのですよ。
ここの中庭にはそのような葉がある木は生えておりませんよ」
信じていないようなリズの話の後に思い出したかのようにフェリシアが
「そういえば認識阻害魔法がかかっていたんだっけあの木は」
さすがに嘘をつくにも込み過ぎていると感じたのかリズもまじめに返したのでした。
「認識阻害魔法? そんなものがかけられている木があるのですか?
フェリシア様、その木を私に教えてくれませんか?」
「いいよ~」
フェリシアとリズは世界樹がある場所に移動したのだった。
———— 裏庭の世界樹の前で
裏庭に移動して
「この木だよ~」
フェリシアが裏庭の巨樹を指して言うが
「そんなところに木はありませんよ。そういえば阻害されていたのでしたっけ?」
「そうだよ~。 えっと ディスペル!」
フェリシアが魔法効果を打ち消す魔法をかけると
見上げるような巨樹がリズにも見えるようになり驚いた表情で
「本当に世界樹がある!」
「私、嘘はつかないよ」
「モノがモノだけに疑って申し訳ありませんでした」
リズの反応を見てもフェリシアがやっぱりそうだったんだって表情で
「やっぱりこの木は世界樹だったんだ。でも精霊らしい存在はいないのよね~」
改めて確認するようにフェリシアが行ったのだが
「それで木の精霊のことを調べていらしたのですか?」
「そういうわけでもないのだけど」
「でも身近に世界樹が生えていたなんて驚きでした」
「どこにでも生えてはいないの?」
「生えているわけないでしょう! 世界樹ですよ! せ・か・い・じ・ゅですよ!」
「やっぱり珍しい木だったんだ。でもなんでここに生えていたの?」
「私が知るわけないでしょう……って、 アーサー様だったら植えていてもおかしくないかもしれません」
「お父様はよくこういうことをしていたの?」
「さすがにこのレベルのことはほとんどしていなかったですけど」
「でもそうするとリンネちゃんって何の精霊なんだろう? 私の部屋の隠し部屋のことも知っていたし……」
ますます疑問に思うフェリシアだった。
フェリシアとリズが話している間にも突然巨樹街中に現れて大騒ぎになっていたのです。
騒ぎを聞きつけてソレイクが現れたのだった。
「何事だ! って、またフェリシア様ですか、……って世界樹じゃないか!」
「ソレ爺。世界樹のこと知っているのなら教えてよ~」
ソレイクは世界樹のことより爺と呼ばれていることの方を気にしていたのでした。
「私はまだ爺ではありません。 それにしてもこれはアーサー様しかいないよなあ……」
疲れた口調でソレイクとリズが話し合っていたのです。
「そうですよね。ソレイク様、あの方は常に私たちの予想を超えることばかりなさっていましたから」
「えっと……。大きなトネリコってことで誤魔化せないかな?」
「無理でしょ、それは……。大きすぎるし、発光しているし」
その後、ソレイクは徹夜で事態収拾に動き聖王様の軌跡ということで誤魔化したのでした。
世代が変わっても苦労人なソレイクさん。