第35話 銀花姫と第4の聖女?
注意 今話は残酷な描写があります。 グロイのが苦手な方は飛ばしてください。
第35話 銀花姫と第4の聖女?
フェリシアが聖王遺物の鑑定依頼を受けて秋の終わりに差し掛かったころだった。
ユグドラシルの地に南からスタンピード来るの情報がもたらされたのだ。
すぐさまユグドラシルに詰めている将兵の間で軍議が開かれ迎撃隊が組織されることになった。
スタンピードがゴブリンキング率いるゴブリン3万と聞き
ユグドラシルに派遣された将軍レクサスはすぐさまユグドラシル南に防衛陣をひいたのだった。
将軍レクサスはアーサーが王子だった6年前の戦でローザリア第二帝国から投降して来た将軍だったが、 協力的だったためローザリア第二帝国滅亡後に仕官を勧めてアーサーの配下として仕えることになり シュトラール滅亡後はアルティアの将軍として仕え続けた将軍であり、 アルティア軍部の中ではソレイクに次ぐ地位にあり戦闘経験も豊富な将軍だった。
敗戦ながらアバロン・ローザリア戦役、第二次ローザリア戦役を経験して、 帰順後にはロギオン周辺の魔物の討伐、 ミモザ戦役、 シュトラール滅亡後のアルフィア聖国建国時における軍の取りまとめ役と国内でも指折りの軍人だったのだ。
レクサス「かなり魔物の数が多いな」
冒険者ギルド長「一応冒険者たちにも緊急依頼で強制的に集めたんだが、3000人ほどしか確保できなかったぞ」
レクサス「私の方の正規兵は8000、冒険者が3000だと1万少し超えるくらいか…… 3倍誓い戦力差だときついな」
主だった顔ぶれで軍議を開いていると何とフェリシアが乱入してきたのだった。
フェリシア「数が足りないなら用意すればいいよ~」
レクサス「フェリシア様!どうしてここに?」
フェリシア「ユグドラシルが危ないんでしょ。 私が力を貸してあげえるよ」
レクサス「姫様それは危険です」
フェリシア「危険かなあ? ぞんびをたくさん呼んでゴブリンに突撃させるだけだよ~」
レクサス「(娘までアーサー様に似てきたよ……) 戦略がアーサー様に似てまね
あくまで後方待機なら許可します」
―——―ユグドラシル南の草原にて
フェリシア「ゴブリンさんいっぱいいるね~」
サクラ「私もぞんび呼ぶの?」
レクサス「サクラ様は普通に攻撃魔法や援護の魔法をお願いします」
サクラ「わかったわ。 私もあのぞんびは召喚できないから」
レクサス「ぞんびは強いんだけど召喚できる者はいない方がいいと思うぞあれは」
サクラ「そうよね。 私もあのぞんびには引いているから」 サクラとレクサスはしみじみ語る…。
陰口で話されていたため聞いていないフェリシアは「いくよ~」
の一言で大量のぞんびを召喚してゴブリンに突撃させたのだった。
レクサス率いるアルティア軍は街を守る形に陣をひいてフェリシアのぞんびを抜いてきたゴブリンたちの迎撃をしていたのだ。
アルティア軍とゴブリンがぶつかる中、死体になったゴブリンをさらにぞんび化させて突撃を繰り返すと、 持久戦と持久戦となり夜になったためゴブリンも夜行性ではないので引いて行ったが、ぞんびは夜も関係ないためさらに召喚され続け
次の日の夜明けにはアルティア軍より数を減らしたゴブリンの群れの姿があった。
一晩中攻撃にさらされたゴブリンに対し夜を休めたアルティア軍の士気の差は歴然だった。
経験豊富な指揮官であるレクサスがその機を逃すわけなく
夜明けの後に十分に明るくなったから
レクサス「全軍突撃!」 の合図とともにゴブリンたちは次々と蹂躙されていき
500余りのゴブリンの群れをアルティア軍が包囲する形となり殲滅も時間の問題だった。
剣と槍に貫かれたゴブリンキングの姿があり
ゴブリンキング「オノレ、 ニンゲンドモメクチオシイワ」と倒れ伏すゴブリンキングだったが、
聖衣をまとったゴブリン(ゴブリンラピュセル) ※ラピュセルとは聖女のこと
ゴブリンラピュセル「アナタヲシナスワケニワイカナイワ。 レイズデッド!」
光景を見ていたレクサスが
レクサス「ゴブリンが死者蘇生の魔法を?」
ゴブリンラピュセルが掛けたレイズデッドの魔法は発動したのだが、
ゴブリンキングは剣と槍に貫かれたままの状態であったため蘇生には成功したもののすぐにまた死亡したのだ。
ゴブリンラピュセル「 コノカタヲシナスワケニワ レイズデッド!」
と再び蘇生魔法をかけるが、くどいようだが、剣と槍で串刺しのまま蘇生魔法をかけてもすぐに死ぬのだった。
ゴブリンラピュセル「ウウ モウイチド レイズデッド!」
ゴブリンラピュセルの魔力が切れるまでレイズデッドとゴブリンキングの死が繰り返されたのだ……。
唖然と見守るレクサス達、 しばらくして我に返りゴブリンラピュセルにとどめを刺したのだった。
サクラ「せめて剣とやり抜いてから蘇生魔法をかけようよ……」
レクサス「ゴブリンキングが気の毒だ……」
サクラ「それにしてもゴブリンにも聖女の種がいたのね、 死者蘇生使えても頭悪かったけど……」
なんとも締まらない形でゴブリン討伐は幕を閉めたのだった。
ぞんびは強い! いい響きだ(笑)
ホラー感出さないように強いゾンビを書いてます。