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第3話 銀花姫と夢幻図書館

第3話 銀花姫と夢幻図書館


 ある夏の夜のことだった。

 フェリシアは暑くて目がさえて眠れないのでした。

 うんうんうなっているとフェリシアの部屋の窓を叩く音がしたのだった。

 フェリシアはなんだろうと思い窓を開けたのだった。

 そこには黒い髪の女の子リンネがいたのだった。

「フェリシアちゃんあそぼ~」

 深夜に黒髪の女の子が三階の窓から現れても動じないのがフェリシアでした。

「なんで夜なの?それにここ3階だよ」

 外を見るとふよふよ浮いているリンネがいたのだった。

「こんな時間に遊ぼって言っても昨日も抜け出したから見張りもいるし無理だよ~」

 さすがのフェリシアも深夜に抜け出すのはまずいと思ったのでリンネに無理と言ったが、

「それは問題ないよ~、ほらそこの本棚の隙間にボタンがあるでしょ」

 リンネに言われて調べてみると本当にボタンがあった。


「なんで知っているのこんなこと?」

 自分の部屋で自分の知らないボタンがあってそれを何故か知っているリンネに突っ込むが、彼女はどこ吹く風でした。

「秘密だよ。 でもぽちって押してみてよ」

 フェリシアはえいっ、と可愛い掛け声で押すと本棚がぼやけて蜃気楼のような景色の中に巨大な図書館があったのだ。

「ここが夢幻図書館だよ」

「なんで私の部屋にこんな仕掛けがあるのよ」

「秘密だよ。 でも奥に行ってみると面白いものがあるよ」

 得体が知れないものがあったけど、恐る恐る図書館に入っていったフェリシアだった。


 そこは、巨大な図書館だった。フェリシアは図書館の本を見上げて

「すごーい。 でも上の方の本ってどうやってとるんだろう?」

 フェリシアが疑問に思ってつぶやくと

「それは司書さんに頼むと取ってくれるんだよ」

「司書さん?」

 すると老婆の声が聞こえて

「お嬢ちゃん何かお探しかな?」

 フェリシアが振り向くと怪しいおばあさんがいたのだ。

「うわ—― びっくりした。 心臓が止まったらどうするのおばあちゃん」

「それは逆じゃろう。 普通は婆の方がしんぞうがとまるものじゃよ、お嬢ちゃん」

 あきれた老婆の声があった。


 せっかく図書館に来たので精霊についての疑問を調べられるのかなと思って老婆に聞くのでした。

「木の精霊についての本と、 鑑定魔法の本ってある?」

「若いのにずいぶん難しい本を求めるんじゃな。 わしの名前はオルドローズじゃ、 この図書館の司書をしている魔女じゃよ」

 空中から飛んでくる本を2冊取りフェリシアに渡したのだった。

 渡された本をぱらぱらとめくるるとフェリシアは驚き

「これ古代イグニア語?」

「若いのによく知っておるのう。 そんな古い言葉を」

「古代魔法の文献ってほとんどイグニア語かエレジア語じゃないの?」

「そうじゃが、 最近はそれが読めるものが少なくてじゃな、 ほとんど読める者がおらんのじゃ」

「この本って借りていっていいの?」

「図書館だし借りて行ってよいのじゃぞ」

「オルドローズおばあちゃんありがとう」

 可愛らしく会釈をして夢幻図書館から出ていくフェリシアだった。


 フェリシアが出て行ってから老婆の姿から20代前半くらいの銀髪の美女に姿が変わったのだった。

 リンネが銀髪の美女に話しかけると

「今のがフェリシアちゃんだよ」

「娘に会えないのもつらいわね」

側に隠れていた同じくらいの年齢の少し赤みがかかった黒髪の男が現れ

「そうだな。 でも元気そうでよかったよ。 ルフィア」

「ふふっ。 うれしそうねアーサー」

 ふたりは死亡したことになっているフェエシアとゲオルグの父と母のアーサーとルフィアだった。

 ふたりは世界樹を修復した影響で人から神の力を持つ人間デミゴッドになってしまったため、

半不老不死になったのでした。なので人知れず姿を消す必要があったのでした。

 現在は世界樹の守護者として世界樹の近くに住んでいます。

「それはそうだ。 娘の姿を見るのも久しぶりだからな。 お前はうれしくないのか?」

「うれしいけど寂しいのよ」

「こんな感じでしか会えないからなあ……」

「でも5歳で古代語が二国語分読めるのはすごいわね」

「俺たちの娘だからな」

「リンネ、ゲオルグとエルテアは元気そう?」

「元気は元気だけどフェリシアに振り回されているわよ」

「さすがアーサーの子よね」

「お前の子でもあるだろう。 それにしてもソレ爺なんて笑わせてもらったわ」

「確かにあの人苦労人だから年齢より上にみえたけどね」

 久しぶりに娘の姿を見て話題を咲かせて、世界樹に転移で戻るのでした。

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