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第21話 銀花姫と潮風の導べ

第21話 銀花姫と潮風の導べ


 イストリアの街からユグドラシルの街を目指して再びに運河を戻るためにふ頭で船を待つフェリシアは

岸の先で何かがうごめいているのを発見したのだった。


フェリシア「ソレ爺。あっちに何かがあるよ」


ソレイク「爺じゃないですぞ、それでフェリシア様何かって何ですか?」


ソレイクに言われている間にも遠視の魔法を使用して岸辺を眺めると、船が座礁しており、乗組員が必死で岸を目指していて、

魔物に追われているのが見えたのだった。


フェリシア「船が座礁しているよ、それも乗っている人が魔物に襲われているよ」


ソレイク「一大事だ。すぐに救助に向かわなければ」


というソレイクごとフライ(飛行魔法)で直行したのだった。


そこにはサハギンたちに襲われている船と船乗りたちの姿があったのだった。


船乗りA「うわー魔物だ」


船乗りB「船が座礁していて沈むぞ―—」


船乗りA「逃げきれないぞ――」


と大パニックになっていたのだった。


 そこにソレイクが飛行魔法の制御下から外れて上空からサハギンたちに斬りかかり

―—バシャっと音とともにサハギンが切り伏せられ川に沈んでいった。

が、フルプレートアーマーを装備して飛び込んだソレイクも河に沈みそうになったを見て


フェリシア「ソレ爺鎧を着たまま川に飛び込むなんて何やってんのよ~」

 と言いながらレビテーションの魔法でソレイクをサルベージしながらファイアーアロの魔法で次々とサハギンたちを撃ち抜いていった。

ギャーと声とともに川底に沈んでいくサハギンたちだったが、 フェリシアの攻撃から逃れて船乗りに襲い掛かる個体もいたのだ。

サハギンの槍が船乗りに迫ろうとするが、

ソレイク「そうはさせん」と淀みない動きでサハギンに剣を一閃させて―—ザシュっと音ともにサハギンは両断されたのだった。


 サハギンたちがいないのを確認してから

ソレイク「お前ら無事か?」

船乗り「あんたこそ無事か? 溺れかかっていたけど……」

と逆に心配されたソレイクだったが、上空から着地したフェリシアが

フェリシア「助けにに来たよ~」とやってきて


 さらに、遅れて救助船に乗ってゲオルグたちがやってきた。

船乗りたち「ああー助かった。 死ぬかと思ったぜ」

と安堵した表情で次々と救助される船乗りたちの横で、

 フェリシアは船室を調べていると土気色の顔をした2.3年上の少年を見つけたのだった。

しかし、少年の呼吸は弱く今にも死にそうな様子だった。


フェリシア「リザレクション!」 とあっさり最上級回復魔法を使用して少年の顔色は再び赤みを差して呼吸も正常化してきたのだった。

ソレイク「この少年は?」と遅れてやってきたソレイクが訊ねた

フェリシア「多分死にかけの病人」

ソレイクがその様子を見て「顔色はいいみたいですけど……」

フェリシア「私が魔法で直したのよ~」

ソレイク「そうであったか」と少年を持ちあげて引き上げるのだった。


 救助から引き揚げたフェリシアたちはイストリアの詰所で取り調べに立ち会うことになったのだ。

船乗り達の話を聞くとミモザ戦役前は船で行商をしていた商人たちだったが、

国々が滅び遠方を船で商業輸送をしていたところで魔物に襲われて船が座礁してしまったのだった。

ソレイク「船室にいた紅い髪の男の子は?」

船乗りA「商会長の忘れ形見だったんですよ」

船乗りB「途中で病気にかかって直る見込みがなかったんですよ」

ソレイク「それをフェリシア様が治したというわけですな」

船乗りA「フェリシア様ってアルティアの神子姫様ですか?」

ソレイク「いかにも」

船乗りB「会長の忘れ形見をありがとうございます。 ただ俺たちは船をやられたので船乗りは廃業ですな」

と自傷気味に言ったのだった。

ミランダ「それではあなたたちは商人としてはどうするつもりですの?」

船乗り「廃業ですから他の商売をするしかないですね」

と商会は解散したのだった。


 船乗りたちの保護のためユグドラシルに戻るのを延期したフェリシアたちはイストリアに宿泊することになぅった。


———— 病室で


フェリシアは珍しく聖女らしく少年の介抱をしていた。


赤髪の少年「うっ。 ここは?」

と少年は見知らぬ天井をみて戸惑った。 確か自分は船室で倒れていたはずだったのにと思いながら……。

フェリシア「目が覚めたの?」

意識が戻ったときに赤毛の少年に問いかけた。

覗き込んだ美しい銀髪の少女に見とれかけながら

赤毛の少年「ここはどこ? おれは病気の病気が治っている……?」


フェリシア「君は病気で倒れていたんだよ~。 私が魔法で直したから回復しているけど、

だいぶ衰弱していたからまだ安静にしていた方がいいよ~」

赤毛の少年はまだ気だるげにフェリシアに尋ねた。

赤毛の少年「俺はカイト。 船乗りの父から幌から名前を付けられたみたいだけど……」

フェリシア「私はフェリシア。 アルティアの神子をやっているの~ 名前は何でフェリシアだったのかなあ~?」

カイト「!フェリシアってアルティアの神子様じゃないか——」

フェリシア「そんなに構えなくていいよ~ 周りの人もそこまで気にしていないから~」


 カイトとフェリシアが話しているとドアがノックされ

ソレイクと元船員が病室に入ってきたのだった。


船乗り「カイト無事だったのか」

と船乗りの男はカイトに声をかけるが、


フェリシア「まだ病み上がりなんだから安静にしてよ~」

フェリシアに注意され委縮する船乗りの男


ソレイク「フェリシア様。ずいぶんと病室にいたけどこの少年はかなり弱っていたのかな?」

フェリシア「風土病と栄養失調と食中毒が重なっていたよ~」

カイト「俺、食中毒だったんだ……」

船乗り「カイト様は生貝が大好物だから……当たりやすいとは注意していたんですがねえ……」

ソレイク「貝は食中毒になりやすいと有名ですぞ」


船乗り「カイト様。 船が大破してしまったので私どもの商会ももうやっていけませんので、

私は街で商売をすることにしました」

カイト「そうか、今までありがとうな」


カイトと船乗りたちは別れを告げたのだった。


 船乗りが退出した後

ソレイク「カイト君と言ったかな、 君はこれからどうするつもりなのかな?」

カイト「船も壊れて、商会も解体したから行き場所がないです」

ソレイク「やはりそうか。 ならユグドラシルの孤児院に入るといい」

 商会と警備隊の詰め所、イストリアの政庁(孤児院)の間で話が付いており、

商会の息子は保護されることになったのだが、

イストリアの孤児院は定員オーバーなので、ユグドラシルの孤児院に預けられることになったのだった。

(そこで話が付いていたため船乗りもカイトを預けることに了承して商会を解散しています)

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