閑話 ゲオルグ君の一日
閑話 ゲオルグ君の一日
俺はゲオルグ。 アルティア聖国の神子に生まれた5歳の少年だ。
父アーサーと母ルフィアはアルティアとは別の国の王族だったんだけど、
世界を巻き込んだ大きな大戦ミモザ戦役で国を守るために戦って亡くなってしまったみたいだ。
戦役前はシュトラール王国の都市だったロギオンも、シュトラールそのものが滅亡してしまったので、
シュトラール・クリスベルの後続国家の国として独立して今のアルティア聖国になったみたいだ。
父と母は建国の英雄だったので、象徴として父アーサーは死後に聖王として祀られ、
その双子であった俺とフェリシアは神子という象徴的な身分となったんだ。
俺は5歳だけど今切実に困ったことがあるのだ。
それは、 妹フェリシアが優秀すぎるのだ。 剣術でも魔法でも知識でも勝てないのだ。
俺はソレ爺にそのことを相談したのだが、 ソレ爺も姫様は特殊だからと言って苦笑いしていたんだ。
6歳に近づいた冬の日に雪合戦をして初めてフェリシアに勝ったと思えた出来事があったんだ。
フェリシアは雪合戦をしていたのだったが、 どんどん白熱していったため町の子供たちが大勢集まり
60人ほどの人数で雪合戦になったのだ。
でもフェリシアは人間離れしているので相手陣営にいたら勝てないと思ったので、
ソウジさんとハルヨリさんも参加することになったのだった。
フェリシアを自由にさせたら勝てないと思った俺は、 ソウジさんとハルヨリさんにフェリシアの足止めを頼み
フェリシアを引き付けている間に相手チームの陣を落として勝ったのだった。
でもソウジさんとハルヨリさんもやられていたから後2・3分遅かったら負けていたなと思ったけど。
初めて妹に勝てたなと思った俺だった。
ゲオルグ君の受難はまだまだ続きそうです。(笑)