第1話 銀花姫フェリシア 挿絵追加
アルティアの銀花姫 第1話 銀花姫フェリシア
主人公であるフェリシアが1歳のころ大陸全土を巻き込むミモザ戦役と呼ばれた大きな戦いがありました
ミモザ戦役人族と魔王との戦いではとても大きな戦いで大陸全土を巻き込む戦いだったのです。
戦役前は10を超える国があったのですが、3つの国を残して戦役で滅びてしまったのです。
フェリシアの父アーサーと母ルフィアは魔王を討ったのですが、その戦いで命を落としてしまったのでした。
もともとはフェリシアが住むロギオンの街はアーサーの出自であるシュトラール王国の第三王子の領地だったのですが、シュトラール王国そのものが滅びてしまったのです。
元の国がなくなってしまったので、アーサーとルフィアの名をとりアルティア聖国という名の国として独立したのでした。
シュトラールの名を継がなかったのはその戦いで第二王子も生存していたことと第二王子の領地もものすごく離れていたので双方で話し合いをして別々の国として独立したのでした。
国父であるアーサーと国母であるルフィアは故人だったので、二人の子である双子は神子として国の象徴とし、
アーサーがロギオン時代に登用した文官と武官との評議制で今の国は回っていたのだった。
ミモザ戦役から4年後、アーサーと振りあの娘であるフェリシアは5歳となり銀髪で美しい女の子になっていたのだった。
だが、中身はというと……。
「フェリシア様! 今度という今度は許しませんぞ!」
モヒカン頭の鎧を着た騎士が銀髪の女の子を追いかける。
追いかけるモヒカン頭の騎士は元々はアーサーの側近でアルティア聖国の摂政になった騎士ソレイクだったのです。
「ソレ爺の髪型面白いね~」
ソレイクのカツラをモヒカンにそり上げて、つけた時はわからないように細工してたのです。
装着してからしばらくして、カツラが部分的に取れてモヒカンになるように細工したフェリシアだった。
「またソレ爺のこといたずらしている」
フェリシアが追いかけられているのを見てため息をこぼしたのはフェリシアの双子の兄ゲオルグ。
「まだ爺じゃないぞ!私はまだ41だぞ!」
なんんとかソレイクから逃げてソレイクを撒いたフェリシアだった。
——― ロギオンの領主館の中庭で
ソレイクを撒いた後フェリシアは一人の女性を見かけて声をかけたのでした。
「あっミリティアおばちゃん」
おばちゃんと呼ばれてギロっとにらみつけるのはミリティアは父アーサーの妹なのです。
「だ・れ・がおばちゃんだって!(怒)」
フェリシアの叔母ミリティアにおばちゃんと呼ぶのは間違ってはいないのだが……
両親が若齢結婚しているため叔母と言っても18歳のミリティアが激怒するのは間違ったことでもなかった。
天真爛漫だけどこれ以上怒らせてもまずいと思ったフェリシアは
「ごめんなさい。ミリティアお姉ちゃん」
ミリティアのことを謝ってお姉ちゃんと呼ぶとすぐに機嫌がよくなるミリティアだった。
「このチョロインが」
小声で小型犬に羽が生えたような姿の悪魔グラシャラボラス(ミリティアと契約をしている悪魔)が言った。
グラシャラボラス(ミリティアの使い魔で高位の悪魔だが小型犬に羽が生えた姿をしている)
「何か言った?」
グラシャラボラスをにらむミリティアだった。
「グラちゃんモフモフさせて~」
グラシャラボラスのあごの下をなでてモフっているフェリシアの姿は普通の5歳の女の子だった。
フェリシアがグラシャラボラスのあごの下を撫でていると、フェリシアの養育係になったメイドのアリアが
「フェリシア様こんなところにいたのですか、まだ算数の宿題が終わってないでしょう」
フェリシアを領主館に連れ戻そうとするのでした。
「アリアお姉ちゃん、算術の問題簡単すぎるし、覚えることがないんだもの」
フェリシアも領主館で机に貼り付けで勉強するのは嫌だったのでアリアに言い返したのでした。
「だから統計学とか、力学とか上級の算術を教えているでしょう」
フェリシアは前世の記憶があったため算数は簡単にできてしまったので、課題のレベルが引き上げられて難しい勉強をさせられていたのでした。
「私まだ5才だもの」
五歳だと言い訳をするが
「5歳児がなんで旧暦時代の古書を読破したり、外国文学のBL本を読んでいるのよ!」
「だってロミオさまはかっこいいよ」
BL本の良さを主張して
「このマセガキが」
マセガキ扱いされると
「何よこの前も毒舌で商人の青年に振れれたんでしょ」
アリアは器量がよく美人だが、男たちが掘っておかないのです。
しかし、きつい口調なので敬遠されることも多いのです。
それを言われてアリアが動揺している間に逃亡したフェリシアだった。
フェリシアがいなくなったのに気が付いたアリアは
「頭はいいんだけどひねくれているのよね」
「そこはアーサーお兄様に似ているわよね」
アリアの横にいたミリティアが同調して
「そうよね。やっぱり師匠の娘なのよね」
アリアは孤児だったが、アーサーに師事して薬学とか魔法とか教育を叩き込まれています。
フェリシアはソレイクとアリアを撒き、領主館の離れで魔法の練習をしていると
三つ編みの少女が問いかける。
「また魔法の練習をしているの?」
「あっ。サクラおねえちゃん」
フェリシアに話しかけたのはサクラと言って。地球から異世界召喚に巻き込まれて召喚された少女だった。
ミモザ戦役で活躍して大賢者の二つ名を持つ少女で、BLの趣味を持つことから、年が離れているがフェリシアの親友だったのだ。
6か月前にBL本の召喚をしようとしたのだが、サクラは魔法の才能はあるのだが唱えた魔法が逆転するスキルがあるので、
BL本を呼ぼうとしてジジイ本やゲイ本を大量に召喚してしまい悲嘆していたのでした。
のちに、サクラとフェリシアが共同で召喚魔法を研究して、異世界(地球から)サクラのコレクションだったBL本の召喚に成功したのだった。
それ以降フェリシアとサクラは意気投合してBL・ショタ本の召喚をしていたのだった。
たまに失敗した始末に困った本を誰かの部屋に隠したりして、 大騒ぎになることはよくあることだったが、
賢者であるサクラと、アーサーとルフィアの血を受け継ぎ魔法の才がある二人はよきライバルであり親友であったのだ。
「サクラお姉ちゃん魔法の訓練しようよ」
「いいわよ」
領主館の裏の広場で二人が退治すると
「ファイアー」
逆転のスキルの効果で氷の塊がフェリシアに高速で迫るが
「ファイアー」
逆転しないフェリシアの炎の魔法で相殺する魔法戦が繰り広げられていた。
何故ファイアという下級魔法で応戦しているかというと、
二人は以前上級魔法で建物を破壊しているため訓練では下級魔法以外の使用を禁じられていた。
訓練の後フェリシアとサクラが休んでいる間に、挟み撃ちでソレイクとアリアがフェリシアを拘束して連行していったのでした。
それなりに平和なロギオンだった。