魔王ですが前回の魔王討伐者とお知り合いになりました。
わりと早めに更新出来た。
「いらっしゃい、城下町クルベルン1の品揃えの店へ。」
ここは本当に地下なのだろうか。
そもそも店と言うより倉庫みたいなことになってるんだけど。
「あんちゃん達のレベルは知らんが『常時アクセサリー欄拡張』のスキルはあるか?」
取れるし取ってしまおう。
「俺が持ってます。」
「便利なスキルだよな。首のペンダントを外させるのも嫌だし、持ってるならこれを渡したい。」
小さな宝石の様なもののついた指輪を渡された。
「これは?」
「『移転の指輪』恐らくお嬢ちゃんはテレポートを使えるんだろう?だけど特定の位置だけだ。町の入り口とか。」
「そうですね。」
「これは特定の物の位置に移動する代物でな、例えば・・・」
よく見ると彼のペンダントにも同じような宝石がついていた。
「あの宝石から目を離すなよ。」
彼が指差すは大きな宝石。
「わかりました。」
「じゃあ、やるぜ。」
宝石に触れたかと思うと一瞬で例の宝石まで移動した。
「なっ!?」
「ま、一度使うと少しの間使えねぇけどな。」
走って戻ってくるファゼルさん。
「これをどうしろと?」
「予備を持つ量を減らせる・・・いや1つでも良くなるレベルか。」
そう言って持ってきたのはさっきのと見た目の変わらないナイフ。
「『ポインターナイフ』その指輪の契約先の宝石はこの中に埋まってる。つまりは・・・」
「投げた先に移動できる。」
「ご名答。」
つまり無くなったとしても移動すれば良いというわけか。
「それにあんちゃんの運なら絶望的な場所には落ちないだろうしな。渓の底とか。」
「不吉なことを言わないでください。」
「悪かったな。」
からからと笑いそして次は真央の方に向く。
「次はお嬢ちゃんの番だな。魔力は高い方かい?」
「恐らくですが。」
「そうか、ならこの杖だな。」
先端が二つに分かれた杖を出してくる。
「『ユグドラシル』って言うんだがこの杖の能力はな・・・」
勿体ぶって溜める。
「『連投』詠唱なしで通常の2倍の回数魔法を打つことができる。」
「なんで、そんなものが・・・」
「売れてないのかってことな。理由は単純。魔力が足らない。残り10%切るだけで命に関わるしな。」
2連で打てるのならその分魔力を払う。
つまり魔力が足らなくなるから売れてない。
「そしてこの杖最大の難点は上位魔法しか使えない所なんだ。」
「上位魔法?」
「正しくは上位魔法以上の魔法だな。爆破魔法は使えるが爆弾魔法は使えないってことだ。」
ファゼルさんは後ろの方の何もないの空間に向けて爆弾魔法を放つ。
本当に小さな爆発が起こる。
「同様に中級魔法強風魔法も使えない。」
と、ここまで説明したところで真央が1歩下がる。
「どうした?真央。」
「質問です。貴方は何故私が上位魔法以上の魔法しか使えないと知っているのですか?」
その言葉を聞いて俺も1歩下がる。
「お嬢ちゃんは察しが早いな。」
「なんの魔法ですか?言わないとどうなるか・・・」
「魔法じゃない、体質だよ、この目のな。」
今まで触れていなかったが彼の目は両目非対称だ。
「対象を一定時間捉え続けないといけないからあまり使えないけどな。」
「それでどこまで見えていますか?」
「そこ、気になるのも無理ねぇか。正体までだよ魔王様。」
俺たちの顔色が変わったのが自分でもわかる。
ばれたってことは・・・やられる。
「安心しろ倒すつもりはねぇよ。」
「先程までなら信用できたんですがね。」
「だろうな。だが、嘘じゃねえよ。」
一気に空気が変わった。
信じられる人が信じられなくなったからなんだけど。
「そもそもこの店を見付けた時点でおかしいんだよ。」
「どういう意味ですか?」
「隠蔽魔法がかかってるんだよ、この店自体にな。だから普通は見付けられない。だが、お前らは見付けてきた。つまり普通なわけがない。」
なるほどね。
そりゃ気になるか。
「それで、信用されてないところに頼む話じゃないんだが聞きたいことがある。」
「・・・なんですか?」
「破邪魔法は使えないか?」
「スキル一覧にはありました。」
「使ってほしい。このペンダントにな。」
「理由は?」
「このお店から出るため。」