海防指揮艦という艦種
指揮艦という艦種があります。一般的にはアメリカ海軍など特有の艦種ですが、今回は海防指揮艦という艦種について考えてみましょう。
そもそも海防艦とは何かというと沿岸・領海警備、拠点防衛、船団護衛、対潜哨戒等を主要任務とする艦のことを指します。
私が提唱する海防指揮艦とは海防艦の役割の一つである船団護衛に重きを置いたものです。
船団護衛もとい海上護衛では対艦だけではなく対潜・対空戦闘を想定しなければいけません。特に対潜戦闘でこの艦の有用性が最も現れます。
海上護衛では輸送船などを守るため輸送船を囲う陣形を作って警戒します。各艦がソナーを使い潜水艦がいないか探すので情報の共有が必要になります。
そこで海防指揮艦の出番です。各艦から集まった情報をまとめ船団の指揮を行います。実際に戦闘を行う場合も情報をもとに潜水艦の位置を把握しながら戦闘をする事ができます。
基本的に海防艦という艦種はとても小さい艦です。日本の海防艦を例に出すと同じ計画で建造された陽炎型駆逐艦が全長118.50mに対し占守型海防艦が全長77.72mとなります。松型駆逐艦と比べても100.00mと77.72mなので大分小さいです。なので船団や戦隊の指揮をするには狭いと言えます。
じつは日本海軍には八十島型海防艦という艦が存在していました。鹵獲した艦なので2隻しかありませんでしたが、海防艦にしては全長は約100mとかなり大きいです。もともと巡洋艦として設計されたので艦体には余裕があります。なので指揮の為の設備を設けることができるはずです。実際に八十島型海防艦は旗艦として優秀な艦だったそうです。
結論を言うと海防艦などの小型艦艇による海上護衛には旗艦設備を持った海防艦が必要という事です。したがって海防指揮艦という艦種は実際に必要とされるものだと思います。