プロローグ
「私、ソウマくんのこと好きだから、だから大きくなっ
ても待っていてね?いつかソウマくんのところに帰って
くるから…」
「うん、待ってる、ずっと、ずーっと、ユメのこと待ってる
から…。」
「うん!約束ね?」
「うん!」
※ ※ ※
「はあぁー」
俺は、高校への期待や不安などの気持ちをもった同級生の雰囲気や、どうでもよすぎる理事長?の話にちょっとした嘔吐感を覚えた。
そう、俺、真田颯真16歳は、今日より瑞伊古学園高等部の一年生となった。…のは建前で、正直どうでもいい。高校なんて、俺のオタク人生には全くもって必要ない事項であると言える。
中学の頃から、勉強、運動、容姿、なにをとっても平凡(容姿に関しては第三者の意見だからね?)なアニメ大好きインドア系キモオタの俺からすれば、高校の青春なんか求めてないし……。べっ、別に3次元捨てて2次元に逃げたわけじゃないからね!勘違いしないでよねっ!
やっと憂鬱だった入学式を終え、教室に戻ってきた。
「確か俺のクラスは…」
俺のクラスは1-Bか、3階とかだるいな。
もう席は決まってるんだっけ。まぁいいや。
そんなことを考えながら、俺は1-Bの教室へと入った。
「うわぁー、もうグループ出来てるし…。」
これが世に言う、『遅くに教室いくとグループ入れなくて取り返しつかなくなる』なのか!失敗した~!
いや本当取り返しつかねぇよこれ…
「まぁとりあえず席着きますか。」
俺は自分の席がある窓側の一番後ろの端へと向かった。すると、俺の席付近に大勢の人だかりがあった。
「なになになんかあったの?」
俺もその人だかりに顔をのぞきこませた。
「あ…」
その人だかりの目的はどうやら俺の隣の席の人らしかった。
だが、俺は思わず声をあげてしまった。だってそこには…
「お前…まさか…ユメちゃん?!」
俺の幼なじみに似てる顔の人がいたんだから…。